カテゴリー別アーカイブ: 南極100kmマラソン

【南極100kmマラソンへの道】その10「いざ、南極大陸へ」

そうして、遂に。

南極大陸へと向かう朝がやって来た!

 

マラソンのゼッケンもゲット!!

※右の小さなペンギンは、高校のセンパイが急遽夜なべして作ってくれた
応援ペンギンの「マガちゃん」。『口がマガっているので!』。


ハーフ、フル、100km合わせて、50名程の選手がいるのだが、

参加する種目関係なく、番号が振られているようす。

ボクの番号は

「Thank you! (39)」

いい番号じゃないか!

 

いよいよ、プンタアレナスの空港へ。


この飛行機で、南極へ飛ぶのだ!

 

南極条例では、

外部から南極への細菌などを持ち込まないよう

決められている。

事前案内に

「南極に入る前に、靴の底を洗うこと」

とあったが、

搭乗前に、靴底を消毒

までさせられるのだ。

 

なかなか、ちゃんとしてるじゃないの(・∀・)。

 

そして、機内へ。

北極の時よりは、機内はちゃんとしてるっぽい。

えーと、手荷物は。。。

「ハイハイ。後ろに置いてってねー(`・ω・´)」

「どんどん。荷物重ねてってねー(`・ω・´)」

「ハイ。できあがりっ(`・∀・´)」

 

 

ちゃ、ちゃんとしてるじゃないの(・∀・;)。

 

そして、おもむろに

キャビンアテンダント?が、

乗客に何か配り始める。

いっちょまえに、アメでもサービスくれるのかしら?(´・ω・`)

 

 

耳栓しとけよな(`・∀・´)。

エンジン、めっさウルサイから」


とな(;´Д`)。

酸素マスクだって、ちゃんと付いてますから。

そうして、いよいよ離陸。

 

爆音スゲー(;・∀・)。

 

機内食だって、サービスしてくれます。


機内食運んでいたのは、

一緒にマラソン参加する他の選手がやらされてたけどネ。

 

 

そして、約4時間半後。。。
(その間、窓がほぼ無いので外の様子は一切見えてない)

 

 

ついに、南極に着陸したっぽい(・∀・)!!

 

 

みんな、思わず拍手!!!

 

 

いよいよ、この時がやってきたのだ!!

 

 


「この一歩は人類にとっては小さな一歩かもだが、

ボクにとってははかりしれない大きな一歩である(`・∀・´)。」

と、ほくそ笑みながら、

記念すべき、南極第一歩(・∀・)。。。

 

 

 

 

あぶねっ!!!!

 

 

足元めっさ氷ってて、あやうくコケそうじゃねーの。

ってか、氷の滑走路じゃないか!!

さっそく9000円のレンタルブーツが大活躍

ありがとう、ボクのペネロペちゃん(*´ω`*)。

 

 

 

ってか、寒い!!!


思っていたより全然寒いじゃないか!

 

北極マラソンの時は、

ほぼ極点(北緯90度近く)なので

-20 ~ -40℃とさすがに寒かった。

今回の
南極は南緯80度くらいで

事前情報では「気温 -10 ~ -20℃」と聞いていて

「北極に比べりゃ、そこそこ暖かいんじゃねの(・∀・)?」

と、タカをくくってたんだが。。。

 

 

えーーと、、舐めてました( ;∀;)。

 

出発前に準備した

どんな天候にも対応しうる「2面体制」の装備

えっと、、、

 

 

防寒重視の1面で十分ですから。

ってか、それでも寒さ防ぎきれるのか(´・ω・`)??

 

なにより、風が強いのだ!

あまりに寒くて(?)、

 

腕立てを始める選手まで出る始末だ。

 

写真を撮ろうと手袋を外すも

危うく吹っ飛んで行きそう。

 

 

でも、

スゴイ景色だ( ;∀;)!!!

ついに、南極大陸に降り立ったのだ!

 

「海に浮かぶ大きな氷のカタマリ」である北極

 

との大きな違いは、

南極は、大陸である。こと。

 

大陸の上に、分厚い氷が積み重なっているのだ。

標高が、そもそも1000m近い。

(腕時計の高度計で、930m)

「それって、北極とかよりも、酸素薄いってコトだよな」

 

予想以上の寒さや強風といい、

「ホントにここで、100kmとか走れるのカナ(´・ω・`)。。。」

と不安になるも、

 

でも、とにもかくにも、360度、素晴らしい景色!

あらためて、

いまボクは、スゴい場所に降り立っているんだ。

いろんな想いで胸が熱くなる。

ここから、キャンプ地までは

こんな雪上車で移動。
30分ほどで、キャンプ地に到着。

僕らは、ここで数日間暮らすのだ。
いったい、どんな生活が待っているのだろうか。

 

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その11「ついに、その時がやってきた」

南極キャンプ地には
実にいろいろな施設がある。

 

ソーラーパネルを完備したテントも。

トイレだって、しっかりしている。
(北極とは、大違い)

できるだけ、下水を減らすべく、

が、しっかり分けられている。

 

お医者さんだっているのだ。
まぁ、お世話になることは、無いけどね(`・∀・´)。 

南極は南極条例によって

様々な決まりがあるので
まずはオリエンテーションを受けていく。

– 病気にならないよう、常に手は消毒すべし
(水が貴重なので、アルコールジェルで)


– あらゆるゴミは持ち帰るべし


– コップは使いまわすよう。
じゃないと数時間で何百のコップを洗わなくてはならない!
(水がもったいない!)

– 囲いの外には行かぬよう。クレパス落ちても知らんYO!

– オゾンが薄く、雪の照り返しも強く紫外線がやばいから、
 日焼け止めをしできるだけグラサンかゴーグルしてろ。
(紫外線で目の周りが腫れてとんでもなくなった人がいたとのこと)

などなど。
そして、さっそく、ランチタイム。

飯、うまっ(・∀・)!!!

キャンプに常駐するスタッフが作ってくれるのだが

ゴハン、かなりしっかりしている。

そし、基地スタッフ用ながら
無線LANまで存在してる。
(インターネットには繋がらず、基地局内通信用)

その名も「JetStream」
うん。オシャレね。
選手が寝る場所は
2人1組のテント。
ボクは、

 

北極マラソンでも一緒のテントで仲良くなった

ナソス(Nasos)と共にテント「Mawson」。

あの、シャクルトンの南極探検隊の一員だった人物名(Douglas Mawson)だそうな。

テント内はこんな感じ。
けっこう、広い。
ベットの寝心地だって

 

ほら、この通り。

「こりゃ、ファイブスター(5つ星)ホテルじゃないの!」
テントメイトのナソスと、大はしゃぎ。
この日は夜8時のブリーフィングまで暇なので
ナソスと探検に行く事に。
彼もボクに負けじといろいろ遊び道具を持ってきている。
テント内には、彼の祖国ギリシャのミニ国旗。 

こんなのは、序の口である。

 

彼の住むキプロス諸島の旗や、ユニセフの旗で記念撮影。

(ナソスはギリシャ、キプロス諸島で最初のユニセフ親善大使でもある)

 

さらには、事前に用意されていた

 

「Antarctica Ice Marathon(南極アイスマラソン)」モニュメントにて

ナソスがアテネから運んできた

オリンピック聖火トーチまで!
(いろいろ書類手続きがタイヘンだったそうな)

 

見ると、他の選手も実に遊びココロに満ちている。

他でも、国旗をテントに飾るのは当たり前で

(彼らも、北極マラソンで一緒の選手)

同じく、今年の北極マラソンを一緒に走り、

 

ゴール地点でプロポーズをした後、結婚した

 

ジェームズ(James)& Demelza夫婦のテントは

 

 

完全にハネムーン仕様

(北極マラソンゴール地点でのプロポーズは、日本でもニュースに載ったほど)

 

コッチだって、負けてられない(`・ω・´)

 

 

ひとまず、今回の重要なミッションのうちの一つ

「史上最南端に立つ、ペンギン」自分調べ)
 
を実現。

見よ、この雄々しい立ち姿を!
ちゃんと、靴まで脱いで
モノホンのペンギンシューズに履き替えているのである
生物史を塗り変えるミッションのためならば、

足が冷たいなど、小さな問題にすぎないのだ。

 

 

さらには、


ジャパニーズ・ニンジャ姿で、聖火トーチ(炎つき)もパチリ

 

もう、こうなったら


ニンジャソードまで抜いてやるぜっ

 

 

ええいっ!!

ここまで来たならばっ!!

 

ついに!!!!

 

 

(;・∀・)ザワザワッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

グサッ!!!!!!

 

 

 


(『人類史上・初達成』瞬間のイメージ図)

 

 

 

 


どうだっ(`・∀・´)

 

 

負けてないハズだッ(`・ω・´)

 

(アホさでは)

それにしても景色がスゴい。
(お口直しにどうぞ)


キャンプ地は、山に囲まれているため
飛行機が降り立った場所に比べ、多少風が弱い。
その分、寒さも和らいでいる。
(とはいえ、寒いんだけど!)
かなりよい天気で風も弱い時点で
外気は-10℃ちょい。

天気もサイコー。

キャンプ地にはマラソン選手以外も訪れていたのだが
皇帝ペンギンを見にきた中国人のツアー客は
南極に飛ぶまで5日間プンタアレナスで待機し、
南極に来てからも4日間天候待ちだったそう。
プンタアレナスに集合して翌日には南極に飛び立てた我々はかなりラッキー。
そうして夜になると、いよいよマラソンのブリーフィング。
ココが、食事用&ブリーフィングが行われるテント内。
とにかく、

レースの開催を左右するのは、なにより天候
特に風。

 

風があると、体感温度が一気に下がるだけではなく

なにより、視界が悪くなる
コースや選手が見えなくなると、それこそ危ない。
現地の天気予報士からの情報で
「明日の天気は悪くなさそう。
 
明日、予定通りフルとハーフを10amに開始する予定です。」
みんな拍手! 

そして、主催者のRichardからは
「決して、いつもと同じペースで走れると思わないこと。
 
普段2時間半でフルを走る選手でも、4時間以上かかることもあった。
天候や風により、一概には言えないが
普段の1.6倍は掛かるケースが多い。」

∑(゜Д゜)

それって、ボクの100kmのベスト(10時間23分)

 

を1.6倍して

100kmに16時間半掛かるかもってコトかっ!

なかなかじゃないの(・∀・;)

で、ボクがでる100kmはいつの予定?というと

100kmは予定では、しあさって(フルの2日後)
なるべくフルと別日程にする予定。
ただ、予報では明日(フルの予定日)が一番風が弱く
その後徐々に風が強くなる可能性がある
100kmのスケジュールについては、明日夜に話す予定。」

 

∑(゜д゜lll)

それって、オレ走る時は
フルよりも厳しい条件になるかもってコトじゃん。

 

 

 

なかなかじゃないの(;∀;)

まぁ、考えても仕方がない。

 

いよいよ、レースが近づいてきたのだ!

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その12「これが、極地マラソンの難しさ」

予定では、フル&ハーフの開始は、明日朝10時。
天候の関係で、コースもすこし変わったそうだ。

25km周回で4つのエイドの予定から、
21.1km周回で3つのエイドに変更に。
コース全体図。


コース詳細図。

チェックポイント1,2と、ゴール/スタート地点(コースの一番下側)

計3つ(約7kmおき)にエイドがあるカタチだ。

 

それぞれのエイドに、自分専用のスペシャルドリンクや
食べたいモノを置いておけるよう、
各選手、3つのジップロックを渡され、 

各チェックポイントに運ばれるポリバケツに、事前に入れておくのだ。

とある、フルの選手(パスカル)の準備風景。
みんな、すげー準備いいじゃねーの。
オレ、100kmなのに
 
チョッチしか用意していないんだけどナー(´・ω・`)。。
一応、エイド毎に水分も取れてビスケットなどの補給食は置かれるハズなので、
自分で用意する補給物は、エイドの補給食が食べられなくなった時の
(ウルトラマラソンでは、胃腸がやられて食べれ無くなってリタイアというのも珍しくないのである)
あくまで念のための準備のつもり。

 

 

「ちょっと、準備不足だったカナ(´・ω・`)?」

また、少し不安がよぎる。

しかし、大丈夫だ。

なにせ、ボクには、頼れるものがあるじゃあないか。

困った時の、神頼みが。

出発前にみんなから頂いたお守り群を
テント内の神棚?にお飾り。
壮行会やネット上でも、
実にたくさんの人たちが
こんなアホなボクを一生懸命心配してくれたり、
応援してくれていたじゃないか。

 

大丈夫だ。

そうして、いよいよ就寝。
テント内に暖房があるワケはないので、
テント内の気温もせいぜい~5℃
しっかりとした寝袋が支給される。
かなり冷えるので、帽子も欠かせない。
テントの中のペットボトルだって
そりゃ中身凍りますがな

とにかく、眠ろう。

 

 

が、白夜なのである。

常に、明るい。

夜23時のテントの中だって

 

 

 

朝3時の外だって

めっさ、明るいYO/(^o^)\!

そして何度もウトウト目覚めつつ
迎えた翌朝。

案内のホワイトボードが。

「今日の天気はランにはイマイチなので
 
10amスタートは一旦ナシ!
 
9amに、最新アップデートするYO!」
とのコト。
たしかに、山の方は風がかなり強い模様。

視界が悪い。

これが極地マラソンの難しさ。
通常のレースのように
「何時間前に何を食べて」とか、

そんなモノは通用しないのである。

「いつでも、走れるように準備しておけ!」
ってコトである。
そして、9amのアップデート。
「やはり風が強く、風速15m以上になりそう。
 
気温も、体感-30℃とかかもなので、様子見。
 
明日にかけて、風は弱まる予定なので、
 
昼過ぎの12:45pmに再度アップデート!
もしかしたら今日の夕方、フル&ハーフをスタートするかもだし、
 
明日になるかもだし!
とのこと。
さらに、100kmについても
「フルと100kmは日程を分ける予定だけど、
いまの時点ではなんともわからない
(風が強い場所を避けるべく)コースも変更になるかもしれない。
ひとまず待ってろYO!

いつスタートかも分からず、

ただ、ひたすら待つ忍耐も試される。

いったい、レース本番は、どんな展開になるのだろう。

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その13「フルマラソンでの、死闘」

結局その日(南極に降り立った翌日)は
天候がすぐれない理由で、

レースは次の日に持ち越されることに。

あまりにヒマなので、

装備チェックも兼ねて

テントメイトのナソスと軽くジョギングに。
北極マラソンでは、
常に足元が雪でぬかるんだり
脚が雪に埋まってしまったり、
段差が常にあったり、
とにかく、移動するだけでも大変だったけど

南極は、なかなか走りやすいじゃないか(・∀・)。

景色もサイコーだ!

せっかくなので(・∀・)

 


も一発、とりゃっ(・∀・)!!

「こりゃ、意外に、楽ちんかも???(`・∀・´)」
そうして、夜のブリーフィング。

明日こそは、フルとハーフが開催されるとのこと。

そして、100kmは気候によらず、明後日開催とのこと。

ただ、風の影響を小さくするために

100kmは、さらにコースが少し変わる。
100kmは、おそらく10km×10周回になるだろう
とのこと。

 

(当初予定の25km4周回だとキャンプ地からかなり離れた場所を走ることになるため

危険度が増すため、周回の距離を縮めたとのこと)

 

 

10周回って、なかなかタフじゃないの(;・∀・)!

でも、25km4周回より、他選手と出会う機会が多い分、いいかも(・∀・)?

ま、出たとこ勝負でしょ!

ブリーフィングの後、今回のレースの主催者のリチャードが

「ヒロ(オレ)は、フル走らないのかい?

キミなら、てっきりフルも走るもんだと思っていたぜ(・∀・)?」

と、衝撃のフリ
「いや、100kmの後にフルならいいけど、100kmに集中したいから、
 
フルの後に100kmはちょっと。。。(´・ω・`)」
聞くと、
申し込み時点では、なんと

100kmのエントリーは14人!
フルと100km両方エントリーしているヒトも何名か


いるとな!!

 

なんだか、オレ、チキンな気がしてきた。。。(´・ω・`)

 

 

寝袋に入りつつ、少し悩む。
(注意:↑悩んでます)
「せっかく、南極に来ているんだ。
 
フルと100km走ったほうが、オモロいんじゃないか?
なんなら、

フルをペンギンで走った後、


100kmをニンジャで走ったら、

ひょっとしたら
ものすごいカッコいいんじゃないか(・∀・)???
・・・・
・・・・
・・・・

 

神様は、ちゃんとしている。
次の日、目覚めたのは、
フルのスタートの15分前(9:45am)ではないかっ( ゜д゜)!
7amにセットしたアラームにも、全く気づかず。
そんなことは珍しい。
テントメイトのナソスも
僕はフルに出ないと思っていたので

「気持ちよさそうに寝てたから、起こさなかったよ」

優しいじゃないの(;´∀`)!

でも、おかげでちょっとホッとしたよ!

 

こうなったら、ペンギン姿で徹底的に応援役に回ろう(`・ω・´)ゞ。
その分、明日の100kmにむけ、しっかり充電してやろうじゃないか。

そうして、いよいよ、フルとハーフが始まる!

天気も、バッチリだ。
フルは、21.1km2周である。
スタート!!!!

直後から、明らかにトップ2名が圧倒的に早い。

衝撃の事実に気がつく。
「あの二人、

僕も参加した

今年の北極マラソンで優勝争いしたアンドリューとルイス

じゃないか」

 

 

4位に終わった北極マラソンでは、

ボクの前を走る3名、とくに前二人が明らかに別物の速さだった。

その二人が、アンドリュー(英国)とルイス(スペイン)だった。

結果、北極マラソンでは

アンドリューが3分30秒ほどの差でルイスに競り勝ったのだった。

しかし、ルイスも北極マラソンの後、

万里の長城マラソンを優勝している。

ガチじゃないの(;・∀・)。

その二人が、またしても、

 

南極でぶつかり合うのだ。

スタートからして、

惚れ惚れしてしまうくらい、レベルが、違う。

(これは、参加してたら見れなかったな。見る側でヨカッタかも)

よーし、燃えてきた(`・∀・´)!!

スタートを見送り、選手たちが周回を戻ってくるまで

しばし時間がある。

 

彼らが死闘を繰り広げている間、

ここぞとばかりに、一人写真大会を開始しようじゃないか。

 

 

スタート応援に着たペンギンスーツにて

パチリ

選手たちが旅立った、スタート地点でも。


パチリ


選手たちがいない、キャンプ地でも。

パチリ


パチリ


パチリ


パチリ


パチリ

このためだけに、

わざわざ三脚と魚眼レンズを運んできたのだ。

ほとんどの選手がフルを一生懸命走っていて

キャンプ地には周りに人が少ないタイミング
じゃなければ、
こんなアホなカッコで一人写真大会なんて

恥ずかしくて開催できないじゃないか。

 

 

 

走らないなら、

走らないなりに、

全力で楽しむのみだぜっ(・∀・)!!!

 

 

そして、レースはそろそろ1周回が終わり21.1kmの時間帯。

エイドステーションはこんな感じ。

 

 

すると。。。

 

トップが来たっ!!

 
アンドリューとルイスが並んでいる!!!

 

この時点では、トップ二人はほぼ同時。
二人ともエイドを一瞬ですまし、

すぐに壮絶なデットヒートを再開

 

エイド後、ルイスが少しリードを始める
すごい争いだ。

見ていて圧倒される。

 

 

3位以下は、かなり差を付けられて

 

ハーフ地点のエイドにやってくる。

みんな、必死だ。

コッチも、必死で応援する。

 

 

 

ペンギン姿で。

そして、スタートから3時間41分。
最初のランナーが帰ってきた!

 


トップは、、

アンドリューだ!

一度抜かれたルイスを、抜き返したのだ。

アンドリュー、3時間41分15秒でゴール!

早い!

 

過去最高タイムだ!!

今年の北極マラソンに続き、

南極マラソンも制したアンドリューだが

ゴールに着くなり、倒れ込み、

苦しそうに悶えながら激しく嘔吐し続ける

文字通り、

チカラを出し尽くしているのだ。

 

壮絶である。

そして、8分遅れで、ルイスも2位で帰ってきた。
彼のゴールタイムも、歴代3位という凄いタイムなのだが、

ものすごい悔しそうだ。

北極マラソンで、アンドリューに2分届かず

今回は序盤ずっとアンドリューと並走し、

一度はリードをしたのを、

 

最後に抜かれたのだ。

悔しさもひとしおだろう。

そして次々ともどってくる選手がみな、
ヘロヘロになりながら戻ってきたり
ゴール直前で走りながらも何度も吐きながら、なんとかたどり着いたり
泣き崩れながらゴールにたどり着いたり

 

 

見ていて、怖くなるような状況である。

ゴールで、

ペンギン姿で声を大に応援していたのだが、

ペンギンにかまえる余裕のある選手の方が

圧倒的に少数派なほどだ。

「ペンギンでフル出ちゃおうっカナ?なんて、

完全ナメてたな。。(;´Д`)」

そう思いながら、

全員のゴールを最後までペンギン姿で応援しながら見届ける。

聞くと、

コース序盤(僕がナソスとジョギングしたあたり)は非常に走りやすいが、

その後はずっと、

思いっきり逆風になって一気に気温が下がったり、

足元が一気に悪くなったり

かなりタフなコース


だったようだ。
それにしても、みんな無事完走は素晴らしい!
ゴール後、
みんな

それぞれ持ち寄ったお酒で乾杯するのを見ながらも、

僕は明日の100kmに向け、まだ断酒は続けなければ。
明日の予報はかなり悪そう。

でも、100kmは開催するとのこと。

やはり、風の影響を考えて、コースは10km×10周

とのこと。

10km周回の中間点、

5km地点に、エイドがあるそうだ。

 

つまり、

10kmを周回する間、

スタート地点と5km地点の2箇所のエイドがあるということだ。

当初の「エイド間8km」より、精神的に安心感はある。

100kmブリーフィングの様子的には、

今日アンドリューと死闘を繰り広げ2位だった、スペイン人のルイスと、

ルイスと共にスペインから来ていて、同じくフルを5位でゴールしたジュリアンという選手も、

100kmに参加する様子である。。。

(ジュリアンも、いかにも速そうで、

しかも今日のフルは明らかに余力を残した走りっぷりだった。。)
二人共、なんとタフなんだ。。。

あんなスゴい奴らが出たら、いくら彼らがフルの翌日とはいえ、
とてもかないっこないんじゃないか。
まぁ、よいじゃないか。
順位は、関係が無いんだ。
ただ、自分のレースをするだけだ。

いよいよ、明日はボクの出番だ。しっかり休もう。

つづく

※編集後記

実は、フルスタート時、主催者のRichardから
「ヒロもスタートだけはペンギン姿で走れ」言われ走ったのですが、

その様子と、ペンギンで応援してる姿がNHKはじめ全世界で放映されたようですw

【南極100kmマラソンへの道】その14「決戦の朝は、雪だった」

決戦の日の朝は、だった。

テントの中までが、今までと比べ明らかに寒い。

昨日の朝、遅くまで寝てしまったため、
実は今朝はほとんど眠れていなかった。
まぁ、普段の100kmマラソンでも、
朝5時スタートに備え、ほとんど眠れない時だってあるんだ。
寝不足でジタバタしたって、しゃーない。 

ここ数日の晴れが嘘のように、
曇り空からは雪が舞い、
すぐ近くの山にも雲がかかっている。

昨日まで見渡せていた遠くの山にいたっては

まったく見えない程。

そして、明らかに気温が低い。
昨日までが別世界のように、寒い。

当たり前だ。

ココは、南極なんだ(`・ω・´)。 
寒いけど、着替えて準備しないと。
ここで、問題が(;・∀・)。 

長距離走では、
足のマメなどを防止する為、いつもワセリンを足などに塗るのだが、

ワセリンが、寒さで固まって、なかなか出てこないじゃないかっ(;・∀・)!

両手で全力で握って、ようやく0.5cm出てくるレベル(;´∀`)。

卵を暖める母鳥のように

寝袋でワセリンあっためながら、

やっとの思いで絞り出す。

そして、絆創膏まで、寒さで固まっているじゃないか!

貼るのに、パリパリ言うレベル( ;; ´∀`)。


ええい、ここは南極なんだっ!

寒いのは当たり前じゃないかっ(;´Д`)

昨日までが、奇跡的な天気だったのだ。

食堂の天気情報を見ると、

キャンプ地点で、-17℃。
風速は約15メートル
ここ数日で一番寒くて、強風。

ココ大一番の状況を用意してもらっちゃって、

なんだか、悪いネ(;´∀`)!

太陽なんか隠れてるほうが、

日焼けしなくって、むしろイイじゃないの(・∀・)。

雲は減っていく予報とはいうが、
コースの奥の方は、風で更に体感気温も低いだろう。
これは、徹底して防寒重視で行かねば。

「モード反転っ。

ザ・防寒モードっ(;・∀・)!!」

ここまでの写真で、

既に気づいた読者もいるであろう。

そう。

今回のニンジャスーツは、

北極の時とは一味違う
アニメ「ナルト」などの影響か、
外国人にとっては、本来の真っ黒なニンジャ姿

なんだかよくワカラナイらしい。
ということで、ちょっとわかりやすくしてみたのが、

 

これだっ!

日本から南極出発の前日

「赤い布、欲しいナ(・∀・)。

凍りにくくって、軽くって、なびきそうなヤツ(・∀・)。」

そう、

ヨメにワガママ言って買ってきてもらったのだ。

外国人にもニンジャとわかりやすく?したかったのもあるが、


「とにかく、カッコよくなびかせて走ってミタイ」

それ以外に、

いったい何の理由が必要であろうか?

他の装備では、徹底的に軽量化に気を使ったとはいえ、

そこには、

重さとか、そういう問題では語れないロマンがあるのだ。

しかし、いざ赤い帯を巻こうにも、
なかなかうまく巻けないではないか。
元来、自分、ぶきっちょである。
出発前に自宅で巻き方のシュミレーションした時も、
「アンタ、どんだけぶきっちょなの( ゜Д゜)?」

と随分ヨメにバカにされた程だ。
ただ、刀を固定し結ぶだけなのに。

恐ろしく、難しい。

さすがはニンジャ。

簡単には務められないぜ。

そうこう赤帯と闘っていると、、

気づけばスタート2分前じゃないか!

慌てて、スタート地点へ。
聞くと、

結果的に9名がスタートに立つ

という。

(筆者は、一番右)

毎年の完走者は3~5名というのに、

 
何たる確変っぷりなんだ!
他にどんな選手が100kmに出るのかは、

あまり意識しないようにしていた。

けど、9名の中に
昨日のフルでトップ争いの死闘を繰り広げ

2位だったルイスがやはりいるではないか!

万里の長城マラソンの優勝者である。

いくらフルの翌日とはいえ、走力の底力は半端ないだろう。

そして、ルイスと同じくスペインから来て

昨日のフルを(流しめな走りながら?)5位でゴールしたジュリアンもいる。

こりゃ、めっさ強敵じゃないか。

9名中、

昨日フルも走っているのは計4名(ルイス、ジュリアンも含め)

だそうな。

さらには、

なんと南極キャンプ地の住人から

マークイアンという選手も100kmだけに出ているそうだ。

 

いいや、他人は関係ないんだった。
自分のレースをするんだった。

はたして、

どんなレース展開になるのか。

存分に、楽しもうじゃないか(;・∀・)っ!

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その15「長い、長い、旅のはじまり」

そうして、いよいよ南極100km

レーススタート!

 

長い、長い、旅が始まる。

やはり、スタートから

昨日のフル2位のルイスが飛び出していく。

さすがは、万里の長城マラソン優勝選手だ。

そしてもう一人、ルイスに続く男が。

マークだ。

 

今回の南極アイスマラソンのために南極に来たのではなく
元から南極のキャンプ地に住んでいるマークが、
ルイスの後を追いかけていくではないか。
でも、二人のペースは、僕が予定していたのと同じだ。
無理せずついていけるぞ!
 

最初の5kmで、ルイス、マーク、ボクの3人が

先頭集団で飛び出したカタチになる。
「序盤はしばらく、3名で並走が続くかも。」

ところが、

7-8kmを手前にして、突如ルイスがペースを落とし始める。

どうしたのだろう?

やはり、昨日のフルの死闘の疲労が脚に残っているのか。
引き離すのは諦め、後ろから様子を見る作戦に変えたのだろうか。

考えても、仕方がない。

マイペースだ。

ボクの前には、マークただ一人となる。

ボクは、二番手だ。 

10km地点。まだ、始まってもいない距離だ。

いつもの100kmマラソン同様、

自分としてはゆったりとしたペースで入っているつもりだ。
しかし、10kmをすぎて、

唯一僕の前を走っていたマークも

 
なぜか少しペースダウンしていく。
こちらのペースは変えてないつもりだが。。。
気づけばスルスルと僕が前へ出ていく格好へ。


ありゃ!(・_・;)

オレ、トップ走っちゃってるじゃないの。

ヤバクね(;・∀・)??
そのまま、

トップで10-20kmの周回を進んでいく。

が、まだ、たった20kmの直前だといのに、
雪のぬかるみで予想以上に足が削られていくのを感じる。 

こりゃ、かなりタフなんじゃないか。
あわよくば、12時間切って過去最高記録

とか考えていたが、

とてもじゃないが難しいかも。
そりゃあ昨日のフルの選手たちも、
体力を使い果たしてゴールに戻ってくるわけだよな。
昨日、調子に乗ってフルやらなくてよかった。。(´Д`)

いやいや、そんなコトを考えたって

仕方がないだろう。

12時間、切れるのかもしれないのだし

ツブれるのかもしれない。

何が起るか分からない。

何が起るかわからないから、

その時、できる走りを、冷静にすればよいのだ。

それが、100kmマラソンなんじゃないか。

ひたすら、マイペースで行くのだ。

そろそろ20kmという時、

トップをボクに譲ったカタチだった南極キャンプの住人マークが、

再び僕を、ススーっと抜き返していく。

やはり、

こちらの様子を、後ろから見る作戦だったのか?

しかもボクを追い抜き際、
ニッコリ笑顔

「調子はどうだい?(‘ ∀`) 」

と声をかけてくる。

いい笑顔じゃないのっ!
即座に 

「(・∀・)イイ感じだぜっ!!」

でも、正直、早くも脚にキテるよ、オレ(´・ω・`)。

っていうの、

後ろから観察されてバレバレなのカモ。

「こいつ、『(・∀・)イイ感じ』とか、

無理言っちゃって( ´,_ゝ`)プゲラ」

って。

なに、くらだないコト考えてるんだ。

まだ超序盤なんだぜ?

でも、一位に返り咲いたマークに、どんどん距離を離されていく。

一瞬でも、
「ひょっとしたら、一位になれるチャンスもあるのか?」

という期待が儚くなった寂しさ
こんな序盤でかなり脚が削れはじめている自分に、

ふっと、また不安になる。

こりゃ、12時間どころか

ゴールまでかなり時間が掛かるんじゃないのか?

 
この後、またルイスが追い抜いていくに違いない。
彼もわざとペースを落として様子を見る作戦なのかもしれない。
 
長距離走は、肉体以上にメンタルが重要である。

だからこそ、日本の100kmマラソンでは平均年齢も50代と高かったり、

60代のオッサンがオレよりゲンキに走っていたりするのだ。

ネガティブに入って、いいことなど、ひとつもない。

おーし、持ち返して行くでー(・∀・)!!
ひょっとしたら、

1位になったマークが、後で突如故障とかで

 
急にブレーキがかかるかもしれないじゃないか。
今は脚が辛く感じたって、

我慢していればまたふっとカラダが軽くなる時間が訪れるって、

過去何度も経験しているじゃないか。


うん。大丈夫だ。

20kmのエイドにて、かなり先にいるトップのマークがトイレに向かったのを見て

僕もトイレに向かうことに。
実は、、、、

スタート前に慌てて巻いた赤い帯がかなり緩んで

さっきから刀が脚に当たる状態になっていたのだ。
今はよくても、

今後あと何万回もあたり続けていたら

ダメージも計り知れないじゃないか(;・∀・)。
しかも、予想よりも早く気温が戻りはじめ、
かなり暑く感じてきた。

中のウェアが汗で重く感じる。

ウェアを一枚脱ぎたい。

「モード再反転っ。

ザ・軽量モード(・∀・)!!」

が、

ウェアを脱ぐには、

赤い帯を一度外さなくてはならないじゃないか。

はっきりいって、刀ジャマだYO!( ゜Д゜)


(20kmエイドにて)

一瞬、

「刀置いて走っちゃって、

最後の方でまた刀をつけ直すってのもアリかな?」

とも頭をよぎる。
が、そんなのは

ニンジャ精神として、許されないのだ(`・ω・´)。

こりゃ、無理に先頭を追いかけることなど考えず

一旦、落ち着いてウェアを脱いで、
帯を固く巻き直すいい機会とすればいいのだ。
まだまだ、始まったばかりなんだ。あわてるな。
たっぷり5分ほどはかけて、帯と刀を直す。

よし、今度はうまく結べたゾ(`・∀・´)!

そうして、20-30kmの周回へ。
しばらくトイレでお色直しに集中していたので、前後の様子はわからないけど、
多分まだ自分は2番手のようだ。
でも、

もう前を行くトップのマークの姿は見えない

まぁ、気にしない。

まだまだ、序盤なんだ。

自分の走りを続けていけばいいのだ。

この時はまだ、

あんな恐ろしい目に合うとは、

これっぽっちも気づいてなかったのだが。

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その16「恐るべし、自然の脅威」

ただ、ひたすらに自分の時間との闘いが続く。

30km地点を超え「もう少しで1/3だ。油断せずしっかり走るんだ。」

40km地点を超え「この周回を終えれば、50kmだ。そしたら、半分を超えるんだ」

100kmのレースは、先が長い。

ゴールまでの残距離を考えると、キモチが折れる

まずは、すぐ近くのマイルストーンを見つけて、

そこにキモチを向けていくのだ。
気づけば50km地点。

まで、まだ後ろから抜かれてない。

トップを走る前の選手は、すでに全く見えなくなっているが
まだ抜かれてないということは、

まだ2位をキープしてるはずだ。

こりゃ、ひょっとしたら2位いけるのか?

いやいや、何を言っちょる。

まだ、たった半分なのだ。

50kmも残っているんだぞ。
かならず後から追いかけてくる選手がいるはずだ。
昨日フルでも凄まじいトップ争いをしていた

あのルイスだって、あのまま終わるハズなどありえない。

いつ追いついてきても、おかしくない。

そうやって、

何度も、ふっと、不安に陥る。

そして、

何度も、ぐっと、持ち上げる。

 

今回のコースでは、3箇所のコーナーで、
後ろの様子が必然的に視界に入る。
そのコーナーで視界に入る以外では、

ゼッタイに後ろの様子なんて見るもんか

とココロに決めていた。

後ろから、スゴい勢いで追いかけられていようが、
後ろを、遠くはるか彼方に引き離せていようが、
一喜一憂するだけだ

自分はただ、

自分のキモチを全面に出して走り続ければ、それでいいのだ。

そして、60-70km周回。

最初のコーナー。

ついにその時がやってきた。

コーナーを曲がった時に、
今までで初めて、

後ろから迫ってくる人影が視界に入る。

ついに、来たか。

やっぱ、そんなに甘いワケないよな。
まだ40kmほども残っている状態で、
追い抜かれたら、

とても追いつけなくなるんじゃないか。

いいや、順位なんていいんだ。

 

ただ、さっきまでと変わらずに
自分のペースで走りを続ければいいんだよ。

 

 

結果なんて、あとから着いてくるんだ。

 

とはいえ、
追われ続けるのは、なんとも精神的に苦しい

 

 

 

今まで見えなかった後ろが見えてきたということは、

後ろの選手には

オレにすぐ迫れるだけの脚が残っているハズだ。

追い越すことだってできるはずなのに、ナゼ追い越さない。
こちらの様子を伺っているのか。
いや、

彼も、オレに追いついてきて、苦しいのだろうか。

いいや、考えても、仕方が無いんだった。
苦しいなんて、気にするな。

ひたすら、マイペースを続けるだけじゃないか。
そんな逡巡を何度繰り返した時だったろうか。
 

自然の脅威が、

 

突如、ボクにキバをむいたのは。

「自然の脅威」

そう。

 

「体内の、自然の脅威」だ。
突然、
体内で緊急を告げるサイレンが鳴り出す。
「艦長、タイヘンですっ!
突如、火薬庫付近にて反乱軍が発生の模様。
非常に危険な状況のようですっ!」

一体、何が起きたというのだ!


「こちら、艦長。

各乗組員に告ぐ。客乗組員に告ぐ。



事態の状況を、可及的速やかに報告せよ。

 

繰り返す。」

各部署からの報告を冷静にまとめるに、

どうやら

 


下腹部の火薬庫
にて、


「不発弾」がハイパーインフレ
を起こし、

いまにも暴発しそう

なようだ。

 

 

少々学術的な表現を借りるならば、

つまるところ、

 

お腹がピーピー寸

 

 

なのだ。

なんてこったい/(^o^)\オーマイガー。

そういえば、

さっきから防寒具がゴワゴワになっている。

中のウェアが汗で凍っているのだろう。
そして、

凍ったウェアが常にお腹の周りを冷やしている

状態なのだ。

この数時間もの間ずーっと。
そりゃ、体内に反乱分子も生まれるだろう。
恐るべし、南極大陸。
おトイレは、

10km周回のスタート時にはあるが、

すでに2km程後方だ。

たしか5km地点のエイド
(10km周回の5km地点に、
エイド用に小さなプレハブが立っている)


にも、
おトイレがあると言っていたはず。

しかし、3kmも先である。

今すぐにでも、

 

爆発しそうなのだ。

ちょうどコースは

逆風かつ、足元が雪でぬかるむ難コース

に入っている。

3km先といったって、20分以上はゆうにかかる


間に合うのか(;´Д`)!

とたんに、

「内股モジモジ走り」

になっていく。

 

なんとか、

爆発させないように必死なのだ。

万一、このまま暴発でもしようものならば、
いったい、どうなってしまうというのだ。
レースが終わるどころじゃあない。

 

ヒトとして、

いろいろ終わってしまいそうだ\(^o^)/。

 

一気に、スピードが落ちる。

大ブレーキである。

必死である。

必死なのだ。

 

 

 

脂汗が、ポタポタ落ちてくる。
「万が一、次のエイドで、

おトイレがなかったら、

どうなっちゃうんだろう。。。(´;ω;`)」

 

もし、コースの脇にそれて、

一面の銀世界で爆発させるには、

白銀の世界に「汚点を残す」どころの騒動ではない。

『外部からの菌を持ち込まない。残さない』

そうだった。
南極条例的に、完全にアウトだ。

「逃げ場が無い」とは

まさに、

 

この為に存在してるコトバじゃないかっ。

『オメデトウ!南極100kmマラソン完走(・∀・)!』

そう、ニュースになるのを夢みて

南極大陸に降り立ったハズだ。

 

 

それがどうしたことだ。


「東京都の男性(38歳)、南極にて

ニンジャ姿のコスプレ

南極の環境を大きく損ねる暴挙を行い

南極条約を犯し国際問題に」

など、社会面に載ってしまうとも限らない。
両親も

「ヒロフミや。。。。( TДT)」

どころでは済まないかもしれない。

いやいや、

こちとら、それどころじゃないんだよ!

必死なんだってば!

条例とか、

もはやどうでもいいくらい、

ホントにヤヴァいんだって!!

気づけば、

後ろには

「ザッザッ」

と足音が、すぐ近くに聞こえている。

そりゃそうだ。
こんな必死な内股モジモジ走り
一気に追いつかれて当たり前だ。

「ええい、

エイドは、まだか!

エイドはまだ、

見えてこないのか!!!(; ・`д・´)」

かつてない、苦しさの時間。。。

ランの苦しみとは、まるで性質が違う。。。

(;´Д`)ウゥ…..

(`・ω・´;)グッ……

(´;ェ;`)ウゥ・・・

かすかに、、、

エイドが見えてきた!

が、見えてきたからが遠い。
しかも、この地点は足元が雪でぬかるんでおり、非常に進みにくい。

もう少しだ。

やれるんだ、

オレは、できるハズだ。

万が一エイドにトイレが無かったら、

潔く自爆して散ろうじゃあないか。

すぐ後ろに選手が迫っていることを思い出し、

ココに来て( ゜д゜)ハッ!となる。

「ヤツを、我が艦隊の前方にまわしてはならないっ!

なんとしても、

我が後方に食い止めておくのだっ(;`・ω・´)!!」

そうなのだ。

万が一にも、

後ろの彼もトイレを我慢していないとも限らない

彼がオレを抜いて
先にトイレに駆け込まれてしまったら

それこそ一貫の終わりである。

負けられない闘いが、そこにあるのだ。

「ぜ、全艦、

突っ込めー(;;;`・ω・´)!!!!」

やった!!!!

先にエイドにたどり着いた!!!

しかし、ココからが勝負だ。
「ぁのぉ・・・ココって、おトイレあるのかしら(´・ω・`)」
もうモジモジで爆死寸前である。

「おう、あるぜ!プレハブの横だ(`・∀・´)!」

「ヤターーーー!!(:∀;)」
見ると、いわゆる

「小さい方専用」

じゃないかo(`ω´*)o!

オレの不発弾はどうなるのだ!

「ち、小さい方じゃなくって。。大って無いの?(;´Д`)ハァハァ」
もう恥も外聞も無い。

「おう!大かい、プレハブの裏に回って見な(`・∀・´)!」

慌ててプレハブの裏に回って、

我が目を、疑った。

信じられない光景が、スローモーションのように

目の前に広がっていく。
プレハブの外側の壁際に、
ちょこんと便器が置いてあるのだ。
完全に青空トイレである。

背中にプレハブの壁がある以外、

見渡す限り、

偉大なる

南極大陸の銀世界に囲まれているトイレ

なのだ。

ようやく救われる!という安堵感と、
恐らくは、地球上でもっとも南に存在するかもしれない

真っ白な世界にポツンと浮かぶ便器の姿に
半ば芸術的な感動すら覚える。

落ち着け。

オレには、大事なミッションがあるのだ。

吹きっさらしの中、見渡す限り白い世界を前にして、
そろそろと席に付き、

ついに、

ミッション開始の時が来た。

ミッション遂行中も、
見渡せば一面、信じられないような素晴らしい南極の景色が広がっているのだ。
その中で、命がけで闘いをやり遂げた安堵感で満たされていくのだ。

もう、なんだか、

賛美歌が聞こえて、

天使が後光とともに降りてきそうな

そんな

「もう疲れたよ、パトラッシュ(´;ω;`)」

なカンジ。

かなりの不発弾が生まれていたようで、
ミッション完了まで、ゆうに5分程は悶え続ける。

当然、その間に後ろにいた選手は、
そんなウ○チ野郎なんかに構わず先に行ってしまった。

そりゃそうだ。

アホらしくて、かまってられない。

時は、65km地点

ついに3位に落ちてしまった。

壮大な闘いの末に(´・ω・`)。。。
そんなコトはどうでもいいのだ。
こちとら、命がけのミッションをクリアしたのだ!

あのトイレの姿を写真に撮る余裕がなかったのが

何より悔やまれてならない。

いや、なんなら、

『一面、銀世界の中浮かぶトイレに腰掛けて

ミッションを遂行している姿』

を写真に収めてもらえていたら

なんと美味しかったことだろうに。

とにかく、ボクもランに戻ろう。

なんて体が軽いんだ。

まるで、羽根が生えたようだ!

でも、前の選手はかなり前方だ。

ここまでで65km。

自分なりにベストを尽くした走りを続けてこれているけど

こんな内容で2位になれなかったとしても、

ネタとしてちょっと美味しいじゃないかw。

少し諦めに似た、

爽やかな甘酸っぱい南極の風が流れていく。

いいんだ。

そのぐらいで、ちょうどいいじゃないか。

よし、もう一度、はじめからのキモチで走りだそうじゃないか。

つづく

※お食事中の読者の皆様には、タイヘンご迷惑をおかけいたしました(´・ω・`)

【南極100kmマラソンへの道】その17「とてつもなく、長い70〜80km」

そうして、70km地点のエイドへ。

数字的には、後半だが、

「残り30km」

という数字は、けっして軽くはない。

幸い、ボクを抜いた2位の選手も、

まだエイドで休んでいるじゃないか。

彼も、1位を行くであろうマークと同様

キャンプ地に住む、イアンである。

彼はいつもエイドでゆったりするタイプのようだ。

これはチャンス。

エイドでの時間を節約すれば、少しは時間を稼げる。
よし、サクっと水分&エネルギー補給をして、行くべか!

と、思ったその時だった。

エイドにもう一人選手がやってくる。
ジュリアンだ。

彼は、万里の長城マラソンを優勝したルイスと共に

スペインから参加しており

昨日は抑えめとはいえ、フルを5位で走った選手だ。

あきらかに、早そうなランナーだ。

ついに、彼までも追いついてきたのか。
ジュリアンも、

エイドにいるボクの姿を見て、

少し驚いた顔をしている。

「追いついた!」

と思ったに違いない。

ジュリアンにまで抜かれたら、

オレは一気に4位に落ちる

まだ残り30km。

一気にヘヴィーな展開になってきた。

しかし、忘れるな。
やるべきことは、自分の走りだ。
イアンとジュリアンがいるエイドをすぐに飛び出し、

70-80kmの周回に入る。

よし。

これで、ひとまずまた2位だ。

も、つかの間。
ものすごいスピードで後ろから足音が聞こえてくる。

ジュリアンである。

さっくり、抜かれる。

再び、3位転落

ジュリアンが、飛ぶような軽快な走りで抜き去っていくのだ。

なんという、力強い走りなんだ。

抜かれて3位に落ちたことよりも、

ジュリアンの走りに、半ば感動で

思わず

「スゴい!昨日フル走っているのに。なんてタフなんだ!」

と声に出す。

彼も、軽くボクに握手して、抜き去っていく。

グッと、パワーをもらった気分である。

彼は昨日のフルに続き、すでに70kmを走っているというのだ。

これだけ底力の差があるとは!

さすがに、彼に追いついていくのは難しい。

3位に落ち、

エイドで逆転し2位になるも

一瞬にしてまた3位に落ちる。

しかも、さっきの不発弾事件で抜かれたイアンとは違う選手、

ジュリアンに抜かれてだ。

そして、前をゆく2位のジュリアンとも距離が開いていく。
さらに、ボクとジュリアンに続いて

4位でエイドを出たイアン

早くも後ろに気配を感じる。
イアンも、まだかなりエネルギーが残っていそうだ。
エイドではゆったりだが、走り出すと明らかにペースがボクより早い
彼に抜かれたら、今度は4位にまで落ちてしまう。

いや、ペース的に、

抜かれて4位に落ちるのは時間の問題だ。

15km地点あたりで一瞬1位になり、

すぐに2位に戻った20km地点から65km地点までの間、

ずっと2位をキープしてこれていた。

65kmまで、ずっと頑張ってこれていたのだ。

それが、この先残り30kmで一気に崩れ、

4位に落ちて終わってしまうのかもしれない。

そういえば、北極点マラソンも4位だった。
できるコトなら、3位以上を取りたい。

いや、それどころじゃない。

後から、ルイスも追いかけてくるかもしれない。

そしたら、5位にすら落ちる可能性すらある。

またもや、

一気に、キモチが萎縮しそうになる。

いいや、いけない。

キモチが大事なんだ。

また、そんな、くだらない順位なんかを気にしているじゃないか。

そんなのは関係ないのだ。

オレも、やれることはやれているのだ。

この日に至るまでの、

様々なトレーニングの日々を思い出してみろ。

3週間、禁酒し、

食べるモノも量も極力制限して体重を落としてきた。

毎週、100kmは欠かさず走ってこれてきた。

あまりに苦しくって、「行きたくない」って思いながらも、

何度も何度も、低酸素トレーニングに通った。

その日々を思い出してみろ。

今日だって、ここまでの70km、

なかなか立派な走りをしているじゃあないか。

うん。そうだよ。

それを、続けさえすればいいんだよ。

少しでも、足を前に出して行け。

少しでも、腕を振って行け。

少しでも、呼吸を大きくして行け。

できるコトを、ただひたすら、気を抜かずに続けて行け。

そうして耐え続けていく。

73km地点。

信じられない光景を目にする。

2位を行くジュリアンが、歩いているじゃないか!

どうしたのか。
たしかに、一番逆風も強く、
一気に気温も下がり、足元もかなり悪いコースゾーンではある。

70kmのエイドでボクを見かけ、

一気にスパートで抜きにかかろうとして

無理がたたったのだろうか。
オレは、ゼッタイに歩いたりするもんか。
チョビチョビ走りではあるけど、走り続ける。

そうして、

ようやく、

ジュリアンを抜く。

再び、2位。

ジュリアンを抜いても、

すぐに彼は追いついてくるかもしれない。

後ろから来るイアンだって、迫ってきているかもしれない。

でも、

オレはひたすら変わらずベストを出し続けて走ればよいのだ。

75km。

中間のエイド地点。

65kmの時は、思わぬ大ブレーキだったが、
今回は、ゼッタイに止まるもんか。
エイドに止まらない分、少しでも時間を稼いでやる。
補給も、抜きだ。
ここは南極だ。
寒いから10kmに一度給水でも十分なハズだ。
エネルギーも、ポケットに入っているエナジージェルで補おう。

走りながら、ポケットからジェルを取り出す。

が、

半ば凍ってるじゃないか!

ジェルを絞り出すのもやっとである。
走りながら、

硬くなりつつあるジェルを口に入れても

飲み込むというより、噛みちぎる感じだ。

口の中がネチャネチャして、呼吸が苦しくなるが、
エイドに止まらない以上、食べながら走るしかない。

かまうもんか。

ただ、走り続けろ。

78km地点。

もうすぐ、また周回が終わる。

真っ白なので、わかりにくいが、

明らかに、上り坂である。

しかも、足元は雪でぬかるむ。

走るスピードが落ちているのが体感でわかると

メンタル的には、ぐっと来る。

が、それは後ろの選手もおんなじだ。

かまうもんか。

ひたすら、走り続けろ。

後からまた足音が近づいてくるのを感じる。
いよいよ、捕まったか。

ジュリアンか?イアンなのか??

でも、後ろは見ない。

ひたすらに、

できうる限り少しでも前に足を進めればいいのだ。

今の自分ができる限りの力を出して、

それで抜かれるのであれば、

それまでだ。

自分ができる走りを続けることに、変わりはない。

79km地点。

後ろの足音が、

2つに、増えている。

苦しい。

息も苦しい。

脚も残っていない。

いっそ、軽やかに抜きさってくれよ。
そうすれば、むしろ諦めがつくじゃないか。

まだ、20km以上残っているんだ。

この苦しみを、あとさらに20kmも続けろというのか。

80km地点まであと200m。
ついに、またも、抜かれてしまった。

ジュリアンではなく、南極キャンプ地の住人、イアンだ。

エイド休憩が長めな選手だ。

「これで、またしても3位転落か。。

でも、イアンはエイドで巻き返せるかもしれない。

諦めるな。

80km地点まであと100m。

なんと、今度はジュリアンにも抜かれる。

「4位か。。」

イアンに抜かれ3位に落ち、

エイドで無理やり2位に戻し、

今度はジュリアンに抜かれ3位に落ち、

なんとかまた2位に戻り、

そして、80kmも耐え続けてきたこの時点で、

一気に、二人に抜かれた。

このレースで

初めて味わう4位である。

彼らの脚の残りっぷりから考えて、

エイド以外で巻き返せる自信がまったく見当たらない。

いくら「順位は関係ない」と言い聞かせても、
さすがに、

グッとココロが重くなる。

「2位獲って帰国できたら、

応援してくれたみんな、

すごい喜んでくれていたかもしれないのにな。

胸張って帰れたかもしれないのにな。」

いいんだ。

自分で誇れる走りをし続けた結果ならば、いいじゃないか。

ゼッタイ、自分に、負けるな。

キモチを、切り替えよう。

ここは彼らを先に行かせて

彼らがエイドに行くのかどうかを見極めるためだと思おう。
80km地点でエイドに寄った後のラスト20kmは
少しでも彼らとのタイムを縮めるために、
20kmの間、エイドは一切寄らずにスパートしよう

そう、ココロに決めている。

そのためにも、

 

ここ80km地点では、エイドに必ず寄らねばならない。

70km地点以来まだ水分をって無いのだ。

さすがに30km給水抜きでスパートをかけるのは自殺行為だ。
彼らが、80km地点で、エイドに寄らずに先にいったら、
さすがにもう追いつけないかもしれない。

その時は仕方がない。

けど、彼らも80km地点でエイドに向かってくれたら、
「エイド速攻作戦」で、少しはまた時間を稼げるかもしれない。

そこが、唯一残された、

差を詰められるポイントかもしれない。

見ると、

前をいく二人ともに、

エイドに向かうではないか!

「よし、ギリギリ、望みはまだ繋がっているぞ」

オレはエイドを早く出ることでしか、
彼らを追い抜くチャンスが無いのだ。

脚の残り具合では、彼らの方が上のはずだ。

少しでも、先にいって稼がなくては。
少しでも2位になれる可能性があるんだ。
走ること以外でも、できることは、全部してやる。
補給も、最小限で、構うもんか。
さっくりエイドを飛び出し、80-90kmの周回に入る。

また、2位。

諦めるな。

いよいよ、

泣いても笑っても、残り20km。

とはいえ、長い長い、20kmだ。

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その18「そして、旅は終わりへ向かう」

「あと、たった、2周。

たった、20kmだ。」

長い長い、旅も、あと20kmで終わるのだ。

そう、言い聞かせても、

20kmがとてつもなく長く感じる。

現時点で、暫定とはいえ、2位。

80 -82kmの直線コース。
70-72kmの周回では、ジュリアンに軽快に抜かれた直線だ。
80km地点のエイドで時間を稼いだけど、
またさっきみたいに抜きに来るんだろ?
彼らとは、かれこれ

計8回も、抜かれ、抜きつを繰り返し

ているのだ。しかも、よく考えると、オレは抜かれてばかりだ。
たった一度だけ、歩いたジュリアンを抜いた以外は

走っている彼らを抜き返したのではない。

ただエイドを早く出ただけのことだ。

あとは、全部『抜かれてばかり』じゃないか。

 

次にまた抜かれたら、

さすがにもうキモチが持たないかもしれない。

とはいえ彼らの走力的には、

確実に周回のどこかで、オレ抜いてくるハズだ。

問題は、エイドで稼いだ時間で、

どこまで抜かれずに粘れるかだ。

でも、もしかしたら、彼が僕を抜いた後、
またジュリアンが歩く機会が出てくるかもしれない。

イアンが、90kmでもエイドでゆっくりしてくれるかもしれない。

いいや。いろいろ考えたって、しょうがないじゃないか。

とにかく、

自分で出来うる走りを、

残り20km

必死でぶっつけていくんだ。

ここまで頑張ってきたんだ。

これで、最後じゃないか。

 

さっきよりも、
さらに、苦しい。
こんなにも苦しい走りが、

まだ20kmも続けなくてはならないというのか。

また3位になっても、はたまた4位に落ちちゃうとしても、いいじゃないか。
でも、ちょっと待て。
彼らだって、苦しいはずだ。
ジュリアンにいたっては、

オレと違って昨日フルも走っているんだ。

恐ろしい、タフさだ。

かなわない。。。
いや待て、ジュリアンだって、

さっき少し歩いていたじゃないか。

やっぱり苦しいに違いない。

みんな、苦しみながら走っているんだ。

みんな、

自分に負けまいと、必死に闘っているんだ。

オレだけが弱音を吐いて、どうする。

 

残っている力を、

ただひたすら絞り出して進んでいけ。

84km地点。
残り、16km。
普段のトレーニングで、よく走る距離じゃないか。
ひたすらに、苦しい。
まだ、抜きに来てくれないのか。
70-80kmの周回の時の様子的に、
そろそろ彼らなら追いつける頃だ。
後ろが、気になる。
でも、ゼッタイに後ろは振り返らない。
彼らとの距離を確認したところで、
オレが出せる力は変わらないのだ。

振り返るということは、自分のココロに負けるということ。

それだけはしないと、

自分で自分に約束したじゃないか。

やれるよ。

やれるんだ。

何度も、何度も、

いろんなカタチで不安がよぎる。

こういう競り合う場面では、
オレはいっつも、最後の最後で抜かれちゃうんだよな。
最後に、ココロで負けちゃうんだよな。

そんな経験、ばっかりじゃないか。

今回だって、

こんなに頑張っているつもりだけれど、

やっぱり、最後には抜かれて、ズルズルと3位、4位に落ちていくんだよ。

それだって、みんな、

「がんばったね」

「凄いね」

って、きっと、言ってくれるよ。

イヤだ。


やっぱり、

そんなのは、イヤだ。

順位が落ちるのがイヤなんじゃない。

自分の弱いココロに自分で負けるのは、

ゼッタイにイヤだ。

キモチで、負けてたまるか。

85kmエイド地点。

今回も、止まらず走り抜けてやる。
このまま90km地点でも止まらず、
ラスト20kmはエイドをスルーして無補給で走って、
少しでも時間を稼ごうじゃないか。
20km無給水でスパートしたって、きっとなんとかなるはずだ。
とにかく、やれるだけのことは全てやってやるんだ。

決して、自分にだけは、甘えるな。

もう全力を出しているなんて、

ゼッタイ思うな。

また、更に搾り出せ。

苦しい。

バーカ。

思うから、苦しいんだよ。

少しでも、呼吸を深くするんだよ。
そうすれば、少しだけでも、楽になるはずだ。
88km地点のカーブ。

視界に、人影。

500m程後方。誰かが、いる。

いやがおうにも、視界に入ってくる。

ジャケットが青い。

たぶん、ジュリアンに違いない。

78km地点の時点では、ここからエイドまでの2kmで詰められて抜かれたんだっけ。
やっぱり、ヤツはスゴいよ。

まだしっかり着いてきている。

いいんだ。

また、繰り返せ。

少しでも、腕を振るんだ。
少しでも、大きく呼吸をしろ。
少しでも、姿勢を保て。
少しでも、残った力を脚に繋げろ。
そして、少しでも、脚を前に出すんだ。

 

苦しい。。。

ふっと、思い出す。
みんな、応援してくれていたじゃないか。
出発直前にもかかわらず、
70名近い人たちが、壮行会に集まって応援してくれたじゃないか。
友達や先輩達も、いっぱい心配してくれたり
時間が無い中、
たくさんの応援メッセージや応援グッズを用意してくれたじゃないか。
それをもらった時の想いを思い返す。
みんな、無事のゴールの便りを、
待っていてくれているんじゃないか。

「オレ、出し切ったよ。

みんなのおかげで、やれたんだ。」

そう、言いたいよ。

言いたいんだよ。

ふっと、カラダが軽くなる。

そうだよ。行けるよ。

できうる限りの走りで、ラスト12km、行こうじゃないか。

90km地点。

エイドなんて、寄らない。

ラスト周回。

そのまま向かう。
あと、10kmで終わるんだ。
ここで、ペースを上げずして、いつ上げるんだ。
92km地点。

周回、最初のコーナー。

いない。

ここ30kmほど、

必ず目にしてきたはずの

視界に映る人影が、

いない。

すくなくとも1km以内後方には、誰もいない。
90kmのエイドをパスしたのが、効いているのか。
あと、8km。

よほどでなければ1kmは詰められないはずだ。

2位で、いけるのか?
いや、彼らも相当な脚をもっている。
事実、信じられないペースで追いつかれ抜かれた経験を
何度もしているじゃないか。
80-90kmで追いつかれなかったのも、
ラスト10kmスパートのために貯金していただけかもしれない。

ゼッタイ、油断するな。

後方の彼らに対してじゃない。

自分自身に対してだ。

彼らも、ものすごい苦しい中でここまで闘ってきているのだ。
ジュリアンにいたっては、昨日のフルのダメージがあるのだ。
オレと比較にならないくらい、苦しいに違いない。

少なくとも、そんな彼に、恥ずかしくない走りをしなくては。

だから、ゼッタイ、油断しちゃダメだ。

カラダの中で、少しでも疲労が少ない箇所を探すんだ。

そこの力を振り絞って、一ミリでも前に脚を進めていけ。
ほんの少しでも、ピッチを早めるんだ。
どこかに、力が残っているはずだ。
そうだ、呼吸もだ。
思いっきり吐いて、思いっきり吸うんだ。
苦しさも、限界に達している。
が、あと、たった数十分なんだ。
いや、後ろの彼らの方が、限界なはずだ。

自分に、甘えるな。

95kmエイド。

当然、エイドは寄らない。

突き進め。

97km地点のコーナー。
視線に映る後方を意識する。

誰も、いない。

あきらかに、かなり差を付けたようだ。

イケる。

2位。

参加人数が少ないとはいえ
一度も経験したことのない順位だ。
いや、順位なんかじゃない。

彼らと闘ったと胸を張って誇れるような

そんな走りを、最後の一秒まで続けるのだ。

あと、3kmが、
こんなにも、長いのか。
これまで、どれだけ長い時間走り続けてきたというのだ。
もうすぐ、13時間になろうとしている。
13時間は、確実に切れるハズだ。
でも、すこしでも、縮めてやる。

残り、1kmを、切った。

後ろは、見ない。

自分のベストを出しつくしさえすればいいのだから。

残り、500m。

ゴールで沢山の人たちが待ってくれているのが見えてくる。

胸が熱くなる。

ぐっと、こみ上げてくる。

99km以上、13時間近く走り続けた中で、
初めて、コーナー以外で、後ろを振り返る。
もう追いつかれることは無いのはわかっているが、
ゴール直前で気を許してしまいそうな自分に
あえて後ろを見ることで、気を引き締めるためだ。
最後まで、甘えるな。

最後まで、誇れる走りをするべく、

自分に油断しちゃあダメなんだ。

彼らに恥ずかしくない、走りを最後まで続けるんだ。

ゴールまで200m。

ゴールで待っている人が、日本の国旗を持って駆け寄ってきてくれる。
レース中、誰かとすれ違う時には常に欠かさなかった笑顔。

10kmもある周回を、

時々、誰かが応援しながらのんびり歩いていることがあった。

そんな時は、どれだけうれしかったか。

どれだけ苦しくたって、

笑顔で「ありがとーっ!」って手を振ったじゃないか。

最後も、思いっきりの笑顔で、ゴールしよう。

左手に日の丸を担ぎ、
右手で、100kmずっと携えてきたニンジャ刀を抜き、天に掲げる。
山の応援の声が耳に届く。
「Go!Go! ニンジャ」
「Hiro、がんばれ!」

「もうすぐだ!!」
そして、日本で待っててくれている、

家族や、

友達や、

先輩のたくさんの顔がうかぶ。

100km。

ついに、長い、長い旅が、終わった。

オレ、やったんだ。

やりきったんだ。

100km、出しきれたんだ!

結果は、
12時間51分48秒。
9名中、2位。

数字は、あくまで、結果。

なにより、

あれだけの展開の中、

最後まで自分に負けずに走り続けられたのだ。

とにかく、長かった。
でも、

素晴らしい時間だった!
沢山の

「おめでとう!」

「素晴らしい!」

「さすが、ニンジャだ!」の声に
何度も、お辞儀をし、
思わず、日本語で

「ありがとう!」
「とにかく、ありがとう。
ものすごく、楽しかったんだ。
と繰り返す。
こんなに長い時間、
ライバルとの競り合いの中で、自分と闘い続けたレースは、
そして、何時間もの間、最後の最後まで、
出し切るコトができたレースは、かつてない。
肉体的にも精神的にも追い込んだのとは裏腹に
出てくるコトバは、

「楽しかった」しか、

出てこない。

「よしっ!ビール飲もうぜっ(・∀・)」

応援のみんな、ちょっと苦笑いしてる??(;・∀・)

そうだ。

ジュリアンをゴールで待ちたい。

彼に、
「ありがとう」を言いたい。

が、

ドクターがすぐに駆け寄ってきて

温かい格好で温かい場所に移動しろと伝えてくる。
「いや、彼を待っていたいんだ」
と伝える。
しかし、予想以上に差はついたらしく
「彼がゴールに近づいたら呼んであげるから、一旦テントにはいりなさい」
そして、ジュリアンと共に3名でデットヒートを繰り返したイアン
ゴール地点に戻ってくる。
が、

なんと彼はまだもう1周残っているようだ。

みなの応援を背にエイドテントに向かっていく。

ずっと2~4位争いをしてきたと思っていたのだが、

周回遅れとは思えない走りをしていたので、

すっかり勘違いしていたのか/(^o^)\。

でも、彼も、随分とボクを引っ張ってくれた。

ありがたい。

そうして、いよいよ、ジュリアンが戻ってきた。
完全に、疲労困憊している様子がわかる。
ゴール!
でも、ゴールで歓声をあげて集まるみんなを通り過ぎ
ヨロヨロと先まで歩いていく。

膝を抱え、上半身が崩れ落ちる。

彼のパートナーのルイス(フル2位。万里の長城マラソン優勝者)が、

そっとジュリアンの肩を抱きに行く。

ルイスは、途中で棄権していたようだ。

彼は、昨日のフルで、あれだけの闘いをした後なのだ。

ジュリアンが、

ルイスに肩を抱かれながら、

顔を手で覆い、涙を流している。

グッと胸にこみ上げて来る。

彼も、フルから連日の100kmで、

あれだけの走りをして

並々ならないタフさで

この100kmを駆け抜けてきたのだ。

どれだけの想いを抱えながら走ってきたことだろう。

同じ100kmを走った自分だからこそ、

グッとこみ上げてくるものがある。

 

しばらく、誰もジュリアンに近寄れない雰囲気の後
ルイスがジュリアンを抱えて、テントに向かっていく。
迷いながらもジュリアンに駆け寄っていく。

「ジュリアン、本当に、君は素晴らしいランナーだ。

君と走れたことを心から、光栄に思う。

本当に、ありがとう」

彼も、憔悴しきった顔ながら、笑顔を見せて、

硬い握手。

そしてハグ。

「君のおかげで、ボクは走れたんだ。

素晴らしい走りを、ありがとう」

つづく

【南極100kmマラソンへの道】その19「闘いを終えて」


ジュリアンとハグを交わした後は、
とにかくドクターの指示にしたがって、
「シャワーを浴びろ」とのこと。
「ほへ。シャワーなんて、あるの?(・・?」
なんと100kmの選手だけが、シャワーを浴びれるそうな。

ラッキー(・∀・)じゃん!
シャワーが浴びれる、スタッフ用の秘密の小部屋に連れて行ってもらう。
沸かしたお湯が入ったバケツに、雪を入れて適温にして
ホースを突っ込んでポンプで吸い上げて頭上からかけてくれる、
という仕組み。
なんならバスタオルまで用意してくれて、
わざわざ僕のテントから着替えまで持ってきてくれる始末。
まさに、いたれりつくせり。
「ココ、天国みたいじゃん(・∀・)!


完走してヨカタヽ(^o^)丿!」

シャワーを上がり着替えると、

なんと

めっちゃ温かいダウンジャケットをかけてくれて

さらに前のチャックまで閉めてくれる
なんなら、帽子だってかぶせてくれる。

「なんでもしてくれるのね。

なんなら、赤ちゃん状態じゃなっすか(・∀・)」

ココは、乗っかるだけ、乗っかってみようじゃあないか。

 

そこまでしてくれるドクターに、

「ビールとか、飲んじゃってもヨカですかね?

ココ3週間、禁酒してまして。。。(´・ω・`)」

 

「ダメヽ(`Д´)ノ!

まずは温かいモノを食べなきゃダメ。

飲み物も、温かいものを(`・ω・´)」

 

いままで、何度も100kmは走ってきたけど、
レース後はすぐにビールをグビって

ご飯も美味しく食べれてきた。

が、ドクターに用意してもらったご飯が、 

まったく口に入らない。

ぜんぜん、食欲が沸いてこないのだ。

こんなことは初めての経験だ。

飲み物は、まぁ、大丈夫っぽい。

仲間達が、こっそりビールも持ってきてくれる。


「このために頑張ったんだー( ;∀;)」

グビリ。

うまいっ(・∀・)!!!!

 

アレ?

 

でも、やっぱ、ちょっと胃腸がヘン?

まぁ、大丈夫っしょ(・∀・)!

グビグビ!

 

(゜д゜)ウマー!!

せっかくなので、札幌の実家から持ってきた

祝杯用のニッカウィスキーも飲まなければ。

わざわざ、専用コップまで持ってきているのだ。

原酒なので、アルコールが65度もある。

ちょろっとだけ、チビり。
テントメイトのナソスもチビり。
「ヒロ、これ、ガソリンじゃないよな?(;・∀・)」

そのうち、

どんどん、

胃腸の様子がおかしくなっていく


アレ(´д`)???

まだ不発弾が処理しきれてないのか??

ビールやウィスキーどころか、

普通の温かい飲み物すら、受け付けなくなっていく。

慌てておトイレに向かうと

完全に下してしいるばかりか、

ついには、口からもすべて戻してしまう。
そして、

胃腸がキリキリ痛み出す。

様々なレースを経験してきているが、

レース後、こんな経験は無い。


痛みは、ヒドくなる一方。

ついには、

お腹を抱えてうずくまり、

動けなくなってしまう。

テントメイトのナソスも心配して、

ドクターを呼んできてくれる。

ドクターに、

悶えながらも、ひと通り症状を説明。

ドクター「ご飯は食べれたの?」
オレ「(悶えながら)いや。。。ほとんど、、


食べれてなくって・・全部戻しちゃって。。
ドクター

「まさか、ビール、飲んでないよね??(`・ω・´)」

オレ「ぇ!?(;´Д`)

ぁ、ぃぁ、、

ほんの。。。

 

チョット(1本)だけ。。。」

 

ドクター

「(´・д・`)・・・。

 

ひとまず全部出してしまっているので、


あとはお腹を温めて寝てなさい(`・ω・´)。
ドクターが湯たんぽなどいろいろ用意してくれる。
ナソスに抱えられながら、

自分のテントに戻ろうと立ち上がる。。。

オレ

「((;一_一)) おっと!」

テーブルの上に

ウィスキー
出しっぱ


だったじゃないの(;・∀・)

コソーリ、ポケットにしまおうにも、

ドクターに全部みられてたがな/(^o^)\。

 

さっきまで100kmニンジャ姿で走っていたオトコが

テントまでの100mを

悶えつつ、肩を抱かれつつ、

なんとか進んでいく。

 

このまま、死んじゃうんじゃないか(´・д・`)

 

そのくらい、お腹もイタイし、カラダが重い。

 

レース中の食事といえば、

パワージェル(液体の補給食)や

カロリーメイトのような固形物だけ。

そんな食事だけで

100km走るエネルギー分

食べては消費して、さらにお腹も氷で冷して

を13時間も繰り返していたのだ。

しかも、今までにないレース展開。

胃腸が、ボロボロになっててもおかしくはない。

 

どうやら、激しく風邪も引いているようだ。

翌朝も、明らかに風邪の症状。

ほとんど、食事も摂れない。

すっかり、やつれましたがな/(^o^)\。

さすが南極。

いろんなコトが起きるもんだ。

 

(まぁ、ドクター無視して

ビール飲んだ自分が悪いんだけど(´・д・`)。。)
しかも、なんだか顔の下半分がヘンな感覚である。
北極マラソンの反省を生かして、


レース中、ちゃんとゴーグルはしていた。
が、顔の下半分は、呼吸がしやすいように

寒くてもさらけ出していた。

もしや凍傷になりかかっているのでは!?

なんてことはない。

もんのすごい、ゴーグル焼け\(^o^)/。

あきらかに、顔の上下で色が違うじゃないか。

顔下半分が、完全に被ばく状態でヒリヒリ/(^o^)\

北極での「ゴーグルはするべし!」の反省が
こんなカタチで帰ってくるとは。

恐るべし、南極。

後からレース中つけていたGPS腕時計の履歴を見て気づいたが

こんなトコロを走っていたのか。

改めて、すごいコトだ。

しかも、一面、真っ白でよく分かってなかったが、

10km周回ごとに

実に約390mも登っていたようだ。


10周100kmで、

計3,900mほども登り降りをしていたのだ。

(100km走る間に、富士山ふもとから頂上まで登って降りて、なカンジ)

普通の100kmマラソンでも、

そんな高低差なんて聞いたことがない。

タフだったワケだ!


(GPS腕時計の履歴はコチラ

 

 

そして、

いよいよ南極を旅立つ日がやってきた。

選手達と、連絡先を交換したり、写真を取り合ったり。
もちろん、

ジュリアンとも、がっちり肩を抱き合ってパシャリ。

フルで壮絶なトップ争いを繰り広げた
いつもストイックで笑顔をめったに見せないルイスも交えてパシャリ。
(左から、ルイス、筆者、ジュリアン)
そして、100kmの優勝者、南極キャンプ地の住人

マークも加え、ジュリアンと1~3位受賞者記念撮影。

(左から、筆者、マーク、ジュリアン)
マークの100kmのゴールタイムは、

12時間6分51秒。

実はマークは、過去何度か

南極マラソン、100kmマラソンを経験しているのだが、

今回のタイムは、大会新記録だそうな。

とんでもない速さだ。
せっかくページ増札したパスポートに

南極スタンプも忘れずにポチり。

「2018年May(5月)88日」はミススタンプですが。

そして再び、来た時と同じ飛行機で、プンタアレナスへ。

あっという間の、しかし、とてつもなく長い一時だった。
南極大陸という場所で、
世界でもっとも南端のマラソン大会を繰り広げたのだ。
そして、100kmを走りきった。
なにより、

あれだけ何度も、何時間にも渡り

抜きつ抜かれつを繰り返し、

散々に苦しみ抜きながらも、

最後まで、自分に負けず、

力を振り絞って前に進めたのだ。


こんな素晴らしい経験ができたことに、

あらゆる人たちに感謝のキモチで一杯になる。

プンタアレナスに着くと

ルイス、アンドリュー、そして他の仲間たちと

なぜか寿司バーで祝勝会をすることに。

日本のスシを囲んで、

スペイン語、フランス語、英語が飛び交う。

 

そんななか、

ボクは共に闘ったジュリアンと、アツく語り合う。


彼はずっとスポーツ人生をへて、

いまは学校でスポーツの先生をしている。

「数学や物理ももちろん大事だけど、

スポーツは、生き方そのものを教えてくれる。

考え方そのものを、学ばせてくれると思う」

「ランニングは、自分の生徒たち(10-12歳)には

つまらないモノに思えているだろう。

けど、そこから、実に様々な経験を学ばせて貰える。

こういった、素晴らしい仲間にも出会え、

自分と向き合うことを経験させてくれる」

「そういったコトを、生徒たちに少しでも共有したいと考えて

ボクは今回もチャレンジをしたんだ。

順位は結果でしかないけど、

なによりも、自分と向き合うことこそが重要なのだと思う。」

奇しくも、ジュリアンは

ボクとまったく同じようなコトを考えていたのだ。

だからこそ、

お互い100kmを走りながら、

それぞれ自分と闘いながら、

抜かれたり抜いたりの一瞬だけで

お互いココロを交わし合った実感を持ったのだろう。


素晴らしい仲間と出会えた。

いつもは笑顔を見せないストイックタイプと思っていたルイスも

実はお茶目なヤツだとわかってくる。

なんと、ルイスもジュリアンも、

偶然にもボクと同じ38歳。


「縁(えにし、Destiny)だな」

お互いfacebookやメアドを交換。

話題の中心は、

もちろん、世界のヘンタイレース

について。

ウルトラトレイル・マウントフジの話を出したら
(UTMF。日本で今年初開催された、富士山の周りを山道ぐるりと約160km、
48時間以内に走り切るレース。ボクも参加し、100位ほどで完走した)

なんとルイスは

「あ、それ優勝した(別の)キリアン、ダチだぜ?(・∀・)」

ゴビ砂漠250kmの話もしたら

「今年優勝したヤツ、ダチだぞ(・∀・)」

スゲー世界に入り込んでしまったぜ(;・∀・)。

ところで、ジュリアンはスポーツは万能らしいが

箸の使い方が大のニガテらしい。

ルイスにからかわれまくっている。

オレ
「ジュリアン、

センセイのキミに、ボクが(箸の使い方の)センセイになってあげよう。

あんだけ、強い走りをできたんだぜ??

You can Do IT !! (`・∀・´)」
箸の使い方では、負けません(`・ω・´)。

他の選手達とも

「自分の祖国(の○○のレース)にぜひ来てくれ!

大歓迎だ!!全部アレンジしてやる!」

と、連絡先を交換しあう。

あれだけ激しいレース展開をしてたジュリアンをはじめ

世界中の、

こんな素晴らしい仲間と

同じ経験と時間を共有でき

友となれたことに

改めて感謝である。

南極ポチって、本当にヨカッタ(・∀・)!!!

つづく