川の道520km完走記:その7「オレいま長野?滋賀??(´・ω・`)」


到着した第二宿泊ポイントのCP13小諸グランドキャッスルホテルにて

プチトラブルが発生。

 

なんと、着替えやテーピングなど一切合切が入った荷物が、まだ届いてないとな\(^o^)/。

 

シャワー浴びても着替えが無いので、浴衣を貸して頂き、

腹をくくって「荷物くるまでしっかり寝よう」と作戦変更。

(どうせ、眠さとの戦いがまだまだ続くんだ。こりゃ眠れってコトだよな。)

荷物の到着が12時頃とのことで、5時間程は横になるコトに。

 

すでに人生最長不倒距離の250kmを超えているが、まだまだ半分。

しかも、2晩の夜を走り続けてきている。

 

でも、やぱーり、浅い眠りしか訪れない\(^o^)/。

 

日常では、のび太クン顔負けでコロっと眠れるタイプなのだが、

砂漠レースなどでは、必ずといっていいほど不眠症に悩まされる。

たぶん、レース中は翌日のコトなどを考え過ぎて脳がコーフンしてしまっているのだろう。

7時過ぎに横になり、12時過ぎに起き上がる。

アタマから全く眠気が取れてないのだが、そろそろ出発せねば。

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次&ラストである宿泊ポイント「鹿渡館」までは、約134km。

「鹿渡館」は約400km地点なので、そこまで行ければ、ほぼゴールは見えているだろう。

 

となれば、今晩がヤマ場だ。

次のCPは上田城。約20km先だ。

 

やはり、一度眠ると、しっかりと走れるようになる。

まだ、脚自体は残っているのだ。それだけでもありがたい。

今日は比較的暖かい。

 

夜は寒さで凍えて「暖かくなりたい」思っているのだけど、

昼に暖かいのは「眠くなって困る」と、

どんだけワガママなんだヒトって/(^o^)\

 

CP14 上田市 上田城址入口 283.5km
5月2日 15:45(スタートから54h45m)

ダメだ!自分、やっぱ眠さマックスっす(`・ω・´)ゞ

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上田城のベンチにて、ポカポカ陽気の下、しばし仮眠。

まぁ、眠れないんだけど(´・ω・`)。

 

ここから、見事に走れなくなっていく。

着実に、歩きが増えていく。

すでに3回目のオーバーナイトランだ。

 

とにかく、眠い。

眠いと、動くことすら億劫になってしまう。

 

次のCP15までは、25kmの道のりになんと5時間近くもかかってしまうことに。

走るどころか、ほぼ歩きメインのペースである。

 

CP15 長野市 篠ノ井橋北詰 308.1km
5月2日 20:34(スタートから59h34m)
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とにかく、寒く、眠さが増してくる。

 

どうにか、眠気を吹きとばそうと、

時折、コトバにならない雄叫びを闇夜に叫ぶ。

 

 

「ぐぉああ”あ”あ”っっ!!!!」

 

 

もう、まったく、楽しく無くなってしまっている自分がいる。

 

いままで、いろいろな過酷なレースを経験してきて、

ツラいながらも、常に楽しめている自分が居た。

 

運動神経もなければ、35年運動ゼロだった自分にとっては

「どんな時でも、笑顔でポジティブな自分」が、

自分の唯一の武器だった。

 

なのに、300kmを超えて3晩目に入ろうとする今、

どう頑張ってもポジティブマインドにもっていけない。

眠さが極限までくると、

ポジティブに考えようとする理性そのものがふっとばされてしまうようだ。

 

唯一の自分の強みが、

まったくもって発揮できない。

そんな自分が居ることへの情けなさ、悔しさで、

気づけば自然と涙が流れている。

 

「ゴールまでは、泣かないんだよ!」

またもや、声にだして叫び、必死に涙を堪える。

 

「自分に負けないっ!!」 

また、叫ぶ。

 

叫んだ直後の一瞬だけ気合が戻り、眠気も覚めて少しだけ走りだすも、

また気づくとトボトボと歩いている自分がいる。

そんな自分がまた悔しくて悲しくなる。

 

(そうだ。歌でも歌おう。どんな時でもゲンキになれるように。)

 

ウルフルズの大好きな歌。「笑えれば」

大声で、深夜の橋の上で、歌い出す。

 

「とにかく笑えれば。最後に笑えれば。」

 

が、そこで、歌がピタっと止まってしまう。

 

まったくもって笑えてない自分に、

絶望すら感じてしまう。

 

橋の上では、風がビュウビュウと音を立てて通り過ぎていく。

ふと、下には漆黒の中、信濃川の流れを音で感じる。

 

「あぁ、この欄干。腰の高さ位までしか無いじゃないか。

フラフラしたランナーが来たら、危ないじゃないか。。」

 

そう思いながらも、気づけば欄干に近づきつつある自分がいる。

 

おい、頼むよ。自分。

落ちたら、川はもっと寒いんだぞ。寒いのイヤだろうが。

 

雪山での疲労凍死って、こんな風に終わっていくんだろうか。

寒さや疲労で、動けなくなり、動けないことで更に体温が冷え眠くなり、

すべての理性や生きようとするチカラすらも奪い取られてしまい、

そのまま凍死をしてしまう。

 

ココも氷点下に近い。ってか氷点下かも。

オレも、そんな風に終わってしまうんだろうか。

 

これまでのレースで、

「もう、このレースが終わったら、ラン人生を終えてもいい」と思えるほど追い込まれたレースもあった。
(2012年のウルトラトレイル・マウントフジが、それだった。ゴール後、どっさり白髪が増えていた。)

 

ところが、今回は、

このレースどころか、ラン人生どころか、

もはや全てを終わらせてしまいたくなる

ほどに追いやられてしまう。

 

 

そんな時だった。

 

 

救いの神が現れた。

 

 

サポート部隊の車だ。
まさふみちゃんが待っていてくれていた。

 

涙がでそうなくらい、ありがたい。

でも、仲間の前では笑顔でいたい。

 

必死に泣きたいのをガマンしながら、車の中で暖を取らせてもらう。

 

車には、一緒にスタートラインに立ちながらも、悔しくもリタイアしてしまった鉄平ちゃんが

まだレースのダメージがあるにもかかわらず、お味噌汁を作ってくれる。

なんて旨いんだ。

なんてありがたいんだ。

 

弱音はいててどうする。こんなに仲間に支えられているのに。

しばし車の中で暖を取りながら仮眠をさせてもらう。

 

「この先で、長谷部さんも車で待っていてくれてますよ。

次のCPの善光寺まで、一緒に付き添ってくれるみたいです。」

 

よし。次のCP、321kmの善光寺まではなんとか辿り着いてやる。

そっから先のコトなんて、正直まったくイメージができない。

でも、まずはそこまでは行ってみよう。

それから、考えればいいじゃないか。

 

善光寺まで、あと数キロの所で、長谷部さんが車を降りて待っていてくれている。

全くもって走ることができない状態だったので、一緒に歩いてもらうことに。

 

 

話す相手がいる、支えてくれている人がいる。

 

そのことが、こんなにも勇気をもらえるのか。

 

でも、このままだと、ゴールなんて到底ムリだ。

でも、少しでも仮眠を取れば、またゲンキになれるかも。

 

「長谷部さん、スゴいありがたいんだけど、善光寺ついたら、また車で30分ほど仮眠を取りたいから、

申し訳ないけど、善光寺の所に車回してまっていてもらってもよいかな?」

 

そうして、善光寺の大門へ。

善光寺の大門から奥の境内まで辿り着いて、一番奥がCPになっている。

そしてまた大門へと戻ってくるというルート設定。その距離、往復約1km程。

 

大門で、何度も何度も

「どうせCPったって誰も居ないんだし、ここまで来てりゃ、

境内奥についたのと、大差無いじゃん。大門の所でCP到着記録しちゃおうか。」

そう思っても、脚はフラフラと奥の境内へ入っていく自分がいる。

 

遠い。1kmが遥かに遠い。

 

でも、そんな中、他のランナーが奥の境内から大門へと戻ってくる姿が。

 

久々にあったランナーに勇気をもらいながらも、

「みんなちゃんとサボらず、奥の境内までを往復しているんだ。

こんなレースに来る人達は、そんな中途半端なズルなんてするワケないよな。」

と感動を覚える。

 

そうして、ようやく、奥の境内へ。

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CP16 長野市 善光寺 321.0km
5月3日 00:01(スタートから63h01m)

もはや、ボロボロ。ギリギリ一杯の状態。

 

(長谷部さん、車回していてくれているかな。。)

ようやく大門へと戻るも、なかなか長谷部さんカーがやってこない。

 

レース前は、サポート部隊を申し出てくれたみんなに対し、

「キモチはものすごい有り難いけど、出来る限り依存せずに自分のチカラで完走したい」

なんて、考えていた。

 

けど、もはや、完全にアテにして頼っている自分がいる。

なかなか現れない長谷部さんカーに耐え切れず、電話ボックスに入って震えながらうずくまる。

 

「早く、来ないかな。。。。(´・ω・`)」

 

あとで聞いた話なのだが、この時、長谷部さんは

まさかの

 

 

「自分の車の鍵を無くして、探しまくっていた\(^o^)/」

 

 

なんて状態とは、知る由もないww。

 

ようやく現れてくれた長谷部さんカーに、たっぷり30分の仮眠をさせてもらうことに。

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口元だけはかろうじて「笑顔モード」だけど、
オッサン、目が完全死んどるがなwww

 

こんな状態じゃあ、とてもゴールどころか、まだ77km先の宿泊ポイントまでたどり着ける自信がない。

ひとまず、しっかり休もう。

 

そうして、眠れない仮眠を30分とり、また勇気を出して車から降りてコースへと戻る。

 

でも、やはり走れない。

トボトボと歩き出す。

 

寒い。寒すぎる。

1時間程で、たまらずガソリンスタンドに入らせてもらい、ストーブに当たらせてもらう。

カラダもココロも芯から冷えているのか、ストーブ間近でも震えが止まらない。

 

すると今度は、

まさふみちゃんサポート部隊に加わってくれた園田さんが走ってガソリンスタンドまで来てくれた。

 

「小野さん、どこかで、ちゃんと休める所で休んだ方がいいんじゃないですか?」

 

うん。オレもアタマではわかっていた。

こんなんじゃ、ムリだって。

 

実はつい2-3km前でも、ネットカフェがコース沿いにあって

憎たらしいくらいにポップな文字で

 

「ココロもカラダもあったまる」

 

と宣伝して全力営業中だったのだ。

 

が、道路が反対側だったのもあり(たった50mもないのだが)、

何より、そこで休んでしまっては

「自分に負けなんじゃ」

というキモチがあって、

なかば意地になっていたのかもしれない。

 

Googleマップで検索すると、コースのすぐ先に何件かホテルがあるっぽい。

それを逃すと、しばらくはまた何も無さそうだ。

 

「小野さん、ボク、空きがあるか走ってみてきます(`・ω・´)ゞ」

サルの着ぐるみをきた園田さんが、そういってガソリンスタンドを駆け出していく。

 

なんてありがたいんだ。

 

そう思いつつストーブに齧り付いていると、園田さんがダッシュで戻ってくる。

 

「小野さん!こっから400mくらい先で、ホテルに空きあります(`・ω・´)ゞ!」

 

やった!救われた!!

 

とても、ゴールのイメージはわかないけれど、寝ればなんとかなるかもしれない。

まずは、ホテルまで辿り着いてみよう。

 

 

そうして、トボトボ歩き出すと。

見えてきたぞ。

 

 

ん??

 

 

(つд⊂)ゴシゴシ

 

 

えーっと。

 

 

ホテル「滋賀」????

 

 

えーーーーっと。いま、オレ長野にいるんだったよね??

 

 

えーーーーーーーーっと。

 

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しかも、ラブホやんけっ(;・∀・)!!!

 

オレ、ここで一人で寝るんだよな。この際、どうしようもないよな。

なんなら、

久々にちょっとオモシロい気分が復活してきて、

思わず写真もサポート部隊に撮ってもらう。

 

「もう、タイムとか順位とか拘らず、とにかくしっかりと睡眠とって復活する!」

 

ホテルに入るなり、シャワーすらも浴びずにそのままベッドに倒れこむ。

 

一度、タイムや順位への拘りから「とにかく、完走」へとアタマを切り替えたコトへの安心感からか、

そこそこ良い眠りにありつけそうだ。。。

 

つづく

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