【南極100kmマラソンへの道】その15「長い、長い、旅のはじまり」


そうして、いよいよ南極100km

レーススタート!

 

長い、長い、旅が始まる。

やはり、スタートから

昨日のフル2位のルイスが飛び出していく。

さすがは、万里の長城マラソン優勝選手だ。

そしてもう一人、ルイスに続く男が。

マークだ。

 

今回の南極アイスマラソンのために南極に来たのではなく
元から南極のキャンプ地に住んでいるマークが、
ルイスの後を追いかけていくではないか。
でも、二人のペースは、僕が予定していたのと同じだ。
無理せずついていけるぞ!
 

最初の5kmで、ルイス、マーク、ボクの3人が

先頭集団で飛び出したカタチになる。
「序盤はしばらく、3名で並走が続くかも。」

ところが、

7-8kmを手前にして、突如ルイスがペースを落とし始める。

どうしたのだろう?

やはり、昨日のフルの死闘の疲労が脚に残っているのか。
引き離すのは諦め、後ろから様子を見る作戦に変えたのだろうか。

考えても、仕方がない。

マイペースだ。

ボクの前には、マークただ一人となる。

ボクは、二番手だ。 

10km地点。まだ、始まってもいない距離だ。

いつもの100kmマラソン同様、

自分としてはゆったりとしたペースで入っているつもりだ。
しかし、10kmをすぎて、

唯一僕の前を走っていたマークも

 
なぜか少しペースダウンしていく。
こちらのペースは変えてないつもりだが。。。
気づけばスルスルと僕が前へ出ていく格好へ。


ありゃ!(・_・;)

オレ、トップ走っちゃってるじゃないの。

ヤバクね(;・∀・)??
そのまま、

トップで10-20kmの周回を進んでいく。

が、まだ、たった20kmの直前だといのに、
雪のぬかるみで予想以上に足が削られていくのを感じる。 

こりゃ、かなりタフなんじゃないか。
あわよくば、12時間切って過去最高記録

とか考えていたが、

とてもじゃないが難しいかも。
そりゃあ昨日のフルの選手たちも、
体力を使い果たしてゴールに戻ってくるわけだよな。
昨日、調子に乗ってフルやらなくてよかった。。(´Д`)

いやいや、そんなコトを考えたって

仕方がないだろう。

12時間、切れるのかもしれないのだし

ツブれるのかもしれない。

何が起るか分からない。

何が起るかわからないから、

その時、できる走りを、冷静にすればよいのだ。

それが、100kmマラソンなんじゃないか。

ひたすら、マイペースで行くのだ。

そろそろ20kmという時、

トップをボクに譲ったカタチだった南極キャンプの住人マークが、

再び僕を、ススーっと抜き返していく。

やはり、

こちらの様子を、後ろから見る作戦だったのか?

しかもボクを追い抜き際、
ニッコリ笑顔

「調子はどうだい?(‘ ∀`) 」

と声をかけてくる。

いい笑顔じゃないのっ!
即座に 

「(・∀・)イイ感じだぜっ!!」

でも、正直、早くも脚にキテるよ、オレ(´・ω・`)。

っていうの、

後ろから観察されてバレバレなのカモ。

「こいつ、『(・∀・)イイ感じ』とか、

無理言っちゃって( ´,_ゝ`)プゲラ」

って。

なに、くらだないコト考えてるんだ。

まだ超序盤なんだぜ?

でも、一位に返り咲いたマークに、どんどん距離を離されていく。

一瞬でも、
「ひょっとしたら、一位になれるチャンスもあるのか?」

という期待が儚くなった寂しさ
こんな序盤でかなり脚が削れはじめている自分に、

ふっと、また不安になる。

こりゃ、12時間どころか

ゴールまでかなり時間が掛かるんじゃないのか?

 
この後、またルイスが追い抜いていくに違いない。
彼もわざとペースを落として様子を見る作戦なのかもしれない。
 
長距離走は、肉体以上にメンタルが重要である。

だからこそ、日本の100kmマラソンでは平均年齢も50代と高かったり、

60代のオッサンがオレよりゲンキに走っていたりするのだ。

ネガティブに入って、いいことなど、ひとつもない。

おーし、持ち返して行くでー(・∀・)!!
ひょっとしたら、

1位になったマークが、後で突如故障とかで

 
急にブレーキがかかるかもしれないじゃないか。
今は脚が辛く感じたって、

我慢していればまたふっとカラダが軽くなる時間が訪れるって、

過去何度も経験しているじゃないか。


うん。大丈夫だ。

20kmのエイドにて、かなり先にいるトップのマークがトイレに向かったのを見て

僕もトイレに向かうことに。
実は、、、、

スタート前に慌てて巻いた赤い帯がかなり緩んで

さっきから刀が脚に当たる状態になっていたのだ。
今はよくても、

今後あと何万回もあたり続けていたら

ダメージも計り知れないじゃないか(;・∀・)。
しかも、予想よりも早く気温が戻りはじめ、
かなり暑く感じてきた。

中のウェアが汗で重く感じる。

ウェアを一枚脱ぎたい。

「モード再反転っ。

ザ・軽量モード(・∀・)!!」

が、

ウェアを脱ぐには、

赤い帯を一度外さなくてはならないじゃないか。

はっきりいって、刀ジャマだYO!( ゜Д゜)


(20kmエイドにて)

一瞬、

「刀置いて走っちゃって、

最後の方でまた刀をつけ直すってのもアリかな?」

とも頭をよぎる。
が、そんなのは

ニンジャ精神として、許されないのだ(`・ω・´)。

こりゃ、無理に先頭を追いかけることなど考えず

一旦、落ち着いてウェアを脱いで、
帯を固く巻き直すいい機会とすればいいのだ。
まだまだ、始まったばかりなんだ。あわてるな。
たっぷり5分ほどはかけて、帯と刀を直す。

よし、今度はうまく結べたゾ(`・∀・´)!

そうして、20-30kmの周回へ。
しばらくトイレでお色直しに集中していたので、前後の様子はわからないけど、
多分まだ自分は2番手のようだ。
でも、

もう前を行くトップのマークの姿は見えない

まぁ、気にしない。

まだまだ、序盤なんだ。

自分の走りを続けていけばいいのだ。

この時はまだ、

あんな恐ろしい目に合うとは、

これっぽっちも気づいてなかったのだが。

つづく

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