【北極マラソン完走記:その9】世界でもっともタフな人たち


ゴール後、ガタガタ震えながらテントに入ると、

既にゴールした選手や、スタッフから

「ニンジャ!よくやったな!」

「写真とらせてくれ!」

との声に、しっかりポーズで挨拶

 

装備をときながら、改めて過酷さを実感する。

まず、ゴーグルに固定していたカメラ。

これじゃ、動かなくなるワケだな。

アタマにかぶっていた帽子は、

内側で汗が凍って

「氷のかぶと」状態。

こんなの、よくかぶって平気だったな。

ってか、かぶってないと更に寒かったんだなw。

なんだか、ずっとゴロゴロしていた首元も、

ネックウォーマーの内側に氷が原因

それどころか、マスクのアゴには、大きなツララが。。。

こりゃー、首もとゴリゴリするワケだw。

もちろん、手袋の中も氷

他にも、少しでも防寒具に隙間がある所の内側は、

中着のフリースなど、氷がこびりついている。

黒装束でわかりにくかったけど、

ニンジャどころか、ちょっとしたアイスマン状態だったワケじゃんか。

手の寒さ対策で、手袋に入れていた

「20時間持続」のカイロも、冷え冷えで汗で凍り気味。

今さらながら、恐るべし、北極。

ラン中は寒さであまり気づかなかったが、

歩くと、左足の中指があきらかに傷んでいる。

靴下を脱ぐと、こりゃ完全に「爪バイバイ」コースだな。

まぁ、爪なんて飾りです。

走ってりゃー、取れるし、

取れても、走れるし。

着替えが終わって(もちろん、シャワーなど存在しない)、

少し休んだ所で、改めて北極キャンプ地を見学。

なにせ、到着して、すぐにレースの準備に入ったので、

ろくに見学をしていなかった。

 

まず、「地球上最北の喫煙所」

ならびに

「地球上最北の、トイレ」

トイレは、男子用が、時間と共に、

黄色いお城が大きくなっていく。

なにせ、あらゆるモノが凍る世界だ。

キャンプ地以外は、ひたすら、白い世界が続く。

ここも、地球上の一部なのだ。

 

 

さすがに朝3時に起きて、

夜10時から翌朝3時まで走り、

気づけば朝5時頃。

テントで少し横になろう。

ウトウトしながらも、時々、ゴールをした選手が戻ってきては、

みんなで「おめでとう!よくやった!」と固い握手。

なにせ、まだ人類史上、北極マラソン完走者は

数百人そこらなのだ。

僕らは、その一人になったのだ。

 

 

ウトウトとゴールのお祝いを繰り返し、朝8時を超える。

レースが開始して、もう10時間以上が発つ。

僕のテントでは、僕のホテルルームメイトのZhu以外は全員ゴールしていた。

10時間以上たつ今も、まだ闘いは続いていた。

この極寒の中、夜通し(明るいけど)ずっと、あきらめずに

みんな闘い続けているのだ。

なんて、タフなんだ!

 

スタートから11時間近く経とうという時に、

ルームメイトのZhuも戻ってきた!

 

11時間も、よく耐えた!頑張った!!

もう、誰だかわからない状態w。

僕もだいぶ疲れが和らいできたので、

いよいよ、グビり。

キャンプでロシア産のビール500ml缶が5ユーロ程(550円)で売られている。

北極にしては、リーズナブル。(日本の温泉でも同じくらいの値段だよな)

ロシアでは、つい最近まで

「ビールはアルコール度数が(ウォッカ等に比べ)低いので、

清涼飲料水だった。でもビールでの交通事故が増え、ビールもお酒と認定された。」

というおそロシアなニュースを見たばっかりだったが、

しっかり、アルコール度数5.4%ありましたw。

僕らが飲んでいる間も、コース上では選手たちが闘っている。

そうして朝の10時近く、

いよいよ、最後のランナーがやって来た。

彼女は、ほぼ歩き通しで12時間近くかけて、ゴールまでたどり着いたのだ。

歩くということは、走っているより、はるかに辛い。


により、体が温まらないどころか、凍える。

そんな中、12時間も、諦めることなく、ゴールまでたどり着く。

多くの選手が外に出て、彼女のゴールを祝い合う。

これで、40名全員完走だ!

素晴らしい!

長い時間をかけてゴールした選手の方が、

誰よりも、タフな人たちに違いない。

「その10」へ、つづく

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