Day5:ゴビ砂漠250kmマラソン完走記


Day5:ステージ5(1日目)
ステージ名:”The Long March along the Silk Road”(80.8km)
コース標高:-160m~250m
いよいよ、勝負のステージ5へ!
ステージ5は80km夜通しのステージ。
これをクリアーすれば、残りは最終7日目の11kmのみなので、
このステージが実質最後の勝負。
選手たちも、勝負のステージ前に互いに気合を入れゴールを誓い合う。
$Keep Challenging
僕は前日の夜、いつもの通りあまり眠れなかったけど、
体調も悪くなくステージ5がいよいよスタート!
$Keep Challenging
ステージ5には、
7つのチェックポイント(CP)と、CP4-5間にWater Pointが有る。
多くのランナーは58km地点のCP5で
睡眠をとり、翌朝リスタートしてGoalに向かう。
僕は、ステージ4を終えても足も充分残っていたので、
最初の50kmは抑え目で余裕が有れば最後の30kmを頑張って
明るいうちに帰ってくる作戦で。
序盤のコースから、海抜0m以下ということで、いかにも乾燥した地域が続く
$Keep Challenging
そして、死海のように塩が浮き上がった水たまりがチラホラ。
見てるだけでカラダの水分が奪われそう。
$Keep Challenging
CP3までは、樺沢さんと並走が多く(なんとか追いつきつつだったけど)、
まずは順調な滑り出し。
途中雨も降るなど(ありえない珍しさ!)走るのには楽な状況
CP3、「世界で2番目に低い場所」(-155m位。一位は死海)にて、
樺澤さんとパチリ。
$Keep Challenging
CP3からは、初め樺沢さんは少し歩くとの事で、僕だけゆっくり目に
走り始める。
気付けは、
前後に誰も見えない状況に。
(こういう状況は今までも良く有ったのですが、序盤でこうなるのは珍しい)
$Keep Challenging
CP4に着くと、なんとここまでで順位が10位!
抑え目に走ってるつもりだけど、暑さのせいか皆遅れ気味なのか、
意外に好成績で自信を増す。
そして、、
悪夢のCP4-Water Point間へ…
この時点で、気温は既に40℃オーバー
$Keep Challenging
見渡す限りの大平原。もちろん日陰などない。
$Keep Challenging
そこには前にも後ろにも、誰も見えない。
そして、、、
走る方向(コース)を示すピンクの旗が
ちょくちょく見えない…
(後で聞いたら現地の人が持って行ったりするそうな)
$Keep Challenging
CP4-Water Pointは、わずか6.8km。
もともとこの区間は歩きで1時間40分で行けるハズ。
が、
ピンクの旗に辿りついてはまた次の旗を目を凝らして探し回る。
またそこ繰り返し…
を、続けるうちに
前のCPで背負った水が、みるみる減っていく。
ピンク旗が見えない時は、うかつに動いてはいけない。
動いて、振り返ると、元にあったピンク旗をも見失う危険性があるからだ。
そうすると、前にも後ろにも旗が見えなくなる。。。
そうならないよう、次の旗が見えない時は、
今いるピンクの旗から、コンパスで歩いて行く方向を決めて、
歩数を数えながら歩き出す。
まっすぐ歩いていると、次の旗が見えにくいので、時々左右にカラダをズラしてみる。
もちろん、ちょくちょく、元来た方角をコンパスで確認し振り返り、旗を目視しながら。
そんなことを繰り返してるうち、気温も43℃。
何より辛いのは、どこに向かえば良いのか判らない為、何度も立ちどまる事。
歩いていれば、風を感じるが、立ち止まると灼熱に焼かれる。
更に、方向が判らなく恐怖感が半端ない。
時々、前にも後ろにも旗を見失ってしまい、
“ここで本当に遭難してしまうのではないか??”
そんな思いが何度も頭を過っては
あえて写真を自分撮りして気を紛らす。
$Keep Challenging
結局、次のWater Pointまで1時間40分で着く予定が、
40℃オーバーの下を2時間半強さまよって、ようやく辿り着く。
ちょうど僕がWater Pointに着くとき、スタッフがピンクフラッグを立て直しに向かう所だった。
やはり僕の前のランナーも同じ恐怖を味わったのだろう。
ここから先、Water Pointで少し休んでから、オーバーナイト用に睡眠も取れるテントのあるCP6へ、
あと7.5kmの道を進む。
ここまでで50kmを走破。後たったの30kmだ。
残り30kmは元気が有れば走る予定だったが、
CP4-Water Point 間の暑さにやられ、歩いて進もうと決意。
「大丈夫、まだまだ明るいうちに帰れる時間だ」
が、Water Pointを出発し10分ほどで、徐々に気分が悪くなる。
どこかで、休まないと、危ない。
そう思うも、休める日陰などなかなか無い。
$Keep Challenging
しばらく進み、なんとか小さな木陰を見つけ
そこで、思わず座り込んでしまう。
これまで2年弱のラン人生とは言え、レース中に座ってしまった事など、一度も無い。
が、悔しい気持ちよりも、カラダが言うことが聞かない。
ようやく見つけた木陰も、小さく、日差しを完全には避けられない。
そして、暑さも半端ない。
普通に40℃を超える。
「このまま、次のCP5に辿り着けるのか?辿り着けば、一晩休める場所もある。
でも、、後2時間弱も歩けるのか???…駄目だ…危険だ…」
次のCP5に向かうより、さっき出発したWater Pointに戻る方が圧倒的に近い。
「戻ろう・・・。」
人生で初めて、今来たコースを逆に戻る。
こんな屈辱はないが、命には変えられない。
元居たWater Pointに向かいフラフラと歩いて戻る。
10分程しか進んで無かったハズの道を戻るだけなのに、
何なんだ?この長い果てしない道のりは。。
そうしてWater Pointに何とかたどり着くも、スタッフも皆驚き、とにかく横になる。
手足が震える。
気分がさらに悪くなる。
「脱水か?いや、水分や塩分は充分取っていたはずなのに…水分の取り過ぎか??」
この時点で、もともと考えていた「今日は明るいうちにゴールへ帰る」ことを諦め、とにかく体調回復と完走を優先することに。
「順位など関係ない。とにかく完走しなきゃ。
日本で応援してくれているみんなも、待っててくれている。」
そうこうして、一時間寝ても、二時間寝ても、体調は悪いまま。
少しでも回復すれば、次のCP5は本格的に寝れるテントが有る。
が、そこまでのたった7.5kmを歩ききる自信さえ湧いてこない。。
「このままリタイヤしてしまおうか。というか、リタイヤの車を呼べる環境でなく、このままじゃ危ないのでは??」
3時間が経ち、時刻は夕方7時に。
CP5で夜眠るには、9時に着いて、ご飯を食べて寝なくては。
さすがに、そろそろCP5に向かわなくては。
大分日が傾く。
とは言っても気温は37℃以上。
なんとか気を奮い起こして歩き出す。
「これまで、140kmだって一晩で走ることができたじゃないか。たった7.5km歩くだけだ」
いろんな事を思いながら少しづつ歩き出す。
ゴビに来る前日の壮行会で、
皆から応援メッセージを入れてもらったiPodに初めて手を出したくなったが、
CP5に着いても、ステージ5のゴールまであと22km残っている。まだ、その時じゃない。
でも、壮行会でのみんなの顔や、僕のブログへのみんなのコメントなどを思い返すと
徐々に力が増してくる。
そして、ようやくCP5へ!
声からがらに 「Finally!(ついに!!)」
今晩はCP5に泊まるつもりで、ゆっくりご飯を食べよう。
幸せな事に食欲は有る。
丈夫な体に産んでくれた親に感謝。
CP5で、特別にスイカをご馳走になり、お湯ももらえるのでアルファ米を食べていると
徐々に心もカラダもご飯を食べると大分力が増してきた。
CP5では沢山の選手が休んでいるのだが、
驚いた事に、もう夜9時近いにも関わらずCP5で寝ずに、そのままGOALを目指す選手ばかり。
まだ22kmある。Goalまで、4-5時間はかかるハズだ。
そして、その中の一人に Aliが居た。
アタカマ砂漠で、親友のしゃな( @LS_jp )と共に闘い完走したAliだ。
Aliは僕のカラダを気遣いつつ、夜9時ながら35℃以上はある中、体中水をかぶって
Goalを目指し走りだした。
ほとんどの選手は、この辺りでは歩いている中、彼は「走り」だしたのだ。
(後で知ったがAliは途中、樺沢さんに追いつき一緒にGoalした!!)
その後ろ姿を見て、僕も勇気をもらう。
「オレも今日はここで寝泊まらず、このままゴールをめざそう」
$Keep Challenging
そして、立ち上がり、歩き出す。
足は平気だが、走ると吐きそうだ
吐いたらエネルギーが無くなる。
走って距離を縮めたいが、無理せず歩かねば。
長い長い22km。
徐々に、辺りは暗くなり、ついに真っ暗闇に
真っ暗闇の中、辛うじて次の方向を示す蛍光のフラッグが見え隠れする。
$Keep Challenging
画面の真ん中に小さく光る点が、目指すべき方向。真っ暗になると、自分のライト以外に光源は無い。
ひたすら孤独…
真っ暗闇を一人進むのは、今年の5月の“萩往還140km”でも経験したじゃないか。
が、この孤独は砂漠の真ん中で、かすかな光を頼りに、
体調も良くなく一人歩くのは、何より精神的にくる。
とにかく時間が、長い。
10分たったか?と思い時計を見るも、まだ3分しかたってない。
ただ、想いだけで、足をすすめる。
そして最後のチェックポイントのCP7へ。
此処からGOALまでは後8.7kmだ。歩きでも2時間以内で着くはず。
皆からの応援が入ったiPodは、最後の一時間まで我慢しようと決めていたが
CP7を出て、ついにそのiPodに手をだしてしまう。
「みんなの声を励みに、暗闇のなか、最後、ゴールまで進もう」
しかし…
なんとそのiPod、再生してみると、
コブクロの曲が一曲入ってるだけやんか!!!/(^o^)\
およそ思いつく限りのボタンを押してみるも(そもそも、iPodにそんなにボタンなんて無いんだけど)
再生されるのは、その曲だけ。
オレへの声援が入ったあのiPodは今いったいどこに??w
なんというアホアホな失敗なんだ!!w
皆からの応援の声を背に、真っ暗闇の砂漠を一人歩き続ける自分を想像していたのが、
あまりにアホ過ぎて、かえって笑いがこみ上げてくる。
だけど、その1曲だけのコブクロの詩が、とにかく素晴らしい。
アタカマを完走した時に、しゃなが聞いた曲、「DOOR」。
“進むべき道なんて 自分できめるのさ
不安や恐れに 足元をすくわれそうになるけど
巡り来るこの時に 逆らい続けよう
航海は僕に 何を教えてくれただろう?
「行くしかないだろう!」
自問自答を繰り返し 思い悩み立ち止まるけど
あの日夢見た輝きだけが また僕の心を揺さぶるよ
眠れない日々を過ごすのなら 眠らない明日を追いかけよう
夢見ることが全てじゃなくて 叶えようとすることが全て”

そうだ、ぼくは、どうしても、この先にあるゴールに立ちたい。
「行くしかないだろう!」
そして…I made it!!!!!!
夜AM1少し前に、ようやくステージ6のゴールへ!!!
$Keep Challenging
もう、真っ暗闇。
正直ここまで来れると思っていなかった。
何より皆からの応援が有り、みんな待っててくれている想いが、
ぼくの足を前に運んだ。
“想いがチャレンジを支える” “想いが紡がれ、未来へ繋がる”
本当にありがとう。
$Keep Challenging
みんなの想いが、この足を進めてくれた。
もう、
今夜は眠ってもいいよね。
おやすみなさい。

Day5:ゴビ砂漠250kmマラソン完走記」への1件のフィードバック

  1. しゃな@LS_jp

    つらいつらいOvernight Stageでしたね!真っ暗の中5時間くらい?移動していたと思うと気が遠くなりそうです。
    それにしても、改めてDOORの歌詞を読むとグッと来ますね!サハラでも聞きましょう!

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