「2007年日本の広告費」より今後のメディアを考察してみた


このところ、しゃべりすぎたのか声が掠れて出ません。
今日はアポをキャンセルして頂き、一日自宅警備員。
さて、昨日電通が2007年日本の広告費(PDF)を発表しました。
広告費のトレンドを軸に今後のメディアを考察してみました。
当資料は電通が調べた基準&範囲で発表されたものなので
必ずしも実態どおりでない部分があると思われます
(特にネット広告費は実態より少ないだろう。)が、
大まかな広告トレンドを示していると解釈して、
以下このデータを元に考察してみます。
まず広告費
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2007年 (カッコ内は対前年比)
総広告費 70,191億円 (101.1%)
テレビ  19,981億円 (99.1%)
新聞    9,462億円 (94.8%)
ネット   6,003億円 (124.4)※
雑誌    4,585億円 (96.0%)
ラジオ   1,671億円 (95.8%)
※ネット広告の内訳は
媒体費  4,591億円 + 制作費  1,412億円
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■ネット広告費は2006年には雑誌を抜いていた
電通発表では、マス四媒体は媒体費+制作費の数字ですが、
ネットだけ、2005年より媒体費と制作費を分けて発表されてます。
電通が定義するネット広告の制作費は
「バナー広告等の制作費および企業ホームページの内、商品/サービス・キャンペーン関連の制作費」
これらはネットで広告をする目的で作られたものと考えられるので、合算して比較するのが自然です。
実際、2004年前までは合算されて発表されています。
「2007年はついにネット広告費が雑誌広告費を抜き、TV・新聞についで第3のメディアに」
と報道されてますが、
実は媒体+製作で合算してネット広告を見ると、
『既に2006年にネット広告費は雑誌広告費を抜いていた』
と考えるのが妥当です。
※2006年 日本の広告費(電通資料より)
雑誌 4,777億円
ネット 4,826億円 (媒体費3,630億円+制作費1,196億円)

■3年以内に新聞広告はネット広告に抜かれうる
いずれにせよ、引き続き大きなトレンドとして、
2005年からずっとテレビ、新聞、雑誌、ラジオともに毎年広告費が下がり続け
一方、ネット広告は毎年20%以上伸び続けています。
特に新聞の広告費減少率は他媒体に比べても大きく、
あと3年ほどでネット広告費(媒体+製作)に抜かれる可能性も十分にあります。
広告費の対前年比
     2006年  2007年
新聞   -3.8%    -5.2%
ネット 27.8% 24.4%
仮に新聞-3%、ネット15%が続いた場合
     2008年  2009年  2010年
新聞  9,178億  8,903億  8,636億
ネット  6,903億  7,939億  9,130億
となり、2010年にはネット>新聞となります。
ちなみに、昨年4月の電通総研の発表では
2011年のネット広告(媒体)費は7,558億円と試算しております。
この試算はネット広告(制作)費を含んでいないため、
ネット広告(製作)費がネット広告(合算)の20%(※)とし、これに加えると
2011年の広告費(合算)費は9,447億。
※2005年-2007年のネット広告(制作)費率は約24-26%

電通総研の試算でも2011年までには
ネット>新聞となりえます。
電通が、他マス媒体では合算している制作費と媒体費を
わざわざネットに限って分けているのは、
他マス媒体がネットに抜かれるのを先送りした
(既存マス媒体に配慮した)からかもしれません。
■ネットに限らず、広告もメディアも「広」から「個」がトレンドに
ネット広告におけるSEMの伸び(2007年で1,282億円。対前年比137.8%)や
モバイル広告の伸び(2007年で621億円。対前年比159.2%)でも
広くみんなに告知する商品から、
ターゲットを絞った個に告知する商品への流れが顕著。
広告だけではなくメディア(番組やコンテンツの中身)側でも「広」から「個」の流れは
ネットに限らず他媒体でも同様に感じる。
たとえばテレビ。
通常のテレビは広告費は下がっているが、
多チャンネルで契約者を増やすCVTVやBSが広告費を伸ばしている。
テレビ視聴率が低迷している中、CVTVやBSの契約者が伸びているのは
デジタル放送対応機器の販促も大きいと思うが、テレビひとつをとっても
チャネルや番組が増え、より個に発しやすくなっているからでは。
雑誌はさらに顕著。
多くの主要誌が発行部数を減らす中
(参照 主要50雑誌の「部数激減(秘)データ」 )
デアゴスティーニのような、内容超特化型雑誌が大きく伸ばしている。
(参照 週刊歴史のミステリー」創刊号が100万部を突破 )
■今後のメディアは?
1世帯あたりの人数が減り、近隣との付き合いも減り
日本の生活が集から個に移るに従い
メディアは個のニーズにあったもの、
個々をつなげ(connectさせ)共有体験(群れ感)を生ませるものに
さらにニーズが寄っていくと予想してます。
生物学的に、ヒトに限らず生命個体は群れる本能がある。
群れた方が生存確率が高まるので、これ自然の摂理。
現代人の生活環境が個になるほど、
その分どこかでconnect(群れ)感を潜在的に求める。
群れ感を演出するモノも多様化していく。
教室でみんなが取り囲んでいた(共有体験してた)のが
マンガ雑誌くらいだったのがいまではケータイやDSやらカードゲームやらに
オフィスでの話題が「昨日のドラマ」くらいだったのが
「昨日の合コン」やらネットやらの話題に
お茶の間でワイワイだからこそ楽しかったTVの時間が
一人暮らしだとネットでニコ動やらSNSの時間に
一方、TVでも「リアルタイム(=共有体験感が生みやすい)だからこそ楽しめる」
サッカーやオリンピックなどスポーツ観戦は引き続き人気で広告費も高騰。
そういうイミでは、個々にターゲットしやすく、
かつconnect(群れ)感を生むメディアとして、
SNSやミニブログなどの派生系がまだまだ出ては消え、伸びていくと思います。
以上、あくまで、私見でした。

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