ジャングルマラソン「未」完走記9:ステージ3「ピューマ地帯へ」


 

ステージ2の夜は、幸いにも大きな雨には見舞われず、

いつものニワトリやサルらの深夜の大合唱を越え、朝を迎える。

今日は、ステージ3。

ステージ3からが、レースの本番だ。

距離は38kmに一気に伸び、それまで3〜5kmだったチェックポイント間の距離も

時に10kmを超える。

しかも、今日からは「チェックポイントで15分休憩」ルールが無くなる。

もう、ジャングルに慣れた前提でのレースということだ。

 

そして、この日のコースは、いよいよ本格的なジャングルの奥地へと入っていく。

ステージ3のゴール地点は、ピューマの頭数が一番多い地域だそうだ。

 

この日も、150mの川渡りからのレーススタートし

よりうっそうとした密林地帯を進んでいく。

 

ステージ1、2と、存分にジャングルを堪能し、

もう十分慣れてきたと思っていたのだが、さすがにジャングルの奥地は違っていた。

 

コースロストどころか、あやうく、遭難しかけること2〜3度。

これまでも、コースマークを見失い、

「コッチか?いや、向こうか?」と悩ましい場面はあったのだが

もはや、どこに進めばいいか、全く分からないような場面が出てくるのだ。

 

しかも、コースロストした?と思い、直前のコースマークがあった場所に戻ろうにも、

ドチラに進めばいいかわからないような密林っぷりなのだ。

 

砂漠でも、コースマークを見失い遭難の危機を感じたことがあったが

移動するだけでも密林をかき分け進まねばならぬ環境では、全く違う恐怖がよぎる。

 

時に、「ここが??」という場所も、コースマークが無いながら、実はコースだったりするのだ。

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↑↑ この正面がコース。この藪にも、左右どこにもコースマークは無いので、

どこへ進めばいいのか迷うのだが、藪を乗り切ってみた先に、コースマークがちゃんと続いていた。

 

さらに、あろうことか、枝などに付けられたコースマークが、地上に落ちていたりもするのだ。

ボクだけではなく、特に上位で走っている選手ほど、

ほぼ全員ロストや遭難の危機を体験していた。

 

歩いて進めば、マークも見つけやすいのだが、走るほどに、見落としにくいのだ。

 

 

もちろん脅威は、コースロストだけではない。
レース前に「植物にも、トゲがあったり危険なものがある」と説明を受けて

「なるべく、植物にも触らないように」

なんて考えていたのだが、アマちゃんである。

 

藪を抜ける時に、ひっかかる枝のトゲがカラダ中に突き刺さったり、

ムリに走って藪を抜けようとして、絡まってそれ以上前に進めなくなることも。

こうなるとマヌケだ。

そのまま、後退りしてやり直すしかない。

 
さらには、四つん這いにならないと登れぬような急勾配の山(それも何度も)を登る際、

たまらず掴んだ木の枝の表面にアリの巣があり、巣の天井が破れて大量のアリが

溢れだし手に登ってきたり。

 

助けを求めて必死に枝を掴んだら、

そこから大量のアリが吹き出すのだ。

 

初めて体験した時は、

はっきりいってホラーだ。

 

選手によっては、アリの大群に噛まれて

身体がアザだらけになったりもするのだ。

 

もう、コワくてどこも触りたくないのだが、

「触らずに」というより

触れずに密林を抜けることなど不可能な状況なのだ。

 

時に、20cmほどあろうかという巨大な真っ青なチョウが目の前を飛んで癒やされたかと思うと

親指ほどはあろうかという真っ黒なハチ?がホバリングしてまとわりついてきたり。

 

えーー、ワタクシ、ジャングルにて

実は、虫がニガテだということに気が付きました( ;∀;)。

 

 

細い木をジャンブして超え着地した足元に小さな枝が隠されており、

思いっきり足をひねったり、時に躓いたりコケたり脚をぶったり

泥沼で危うく脚が抜けなくなったりシューズが持って行かれそうになったり。

 

もう、障害物競争というより、

そこらじゅうトラップまみれなのだw。
ステージ1から早くも痛めていた右脚を庇って走りながらも、

なんとか痛みが増さずに済んでいたのだが、

ステージ3が進むうちに左足首のダメージがかなりひどくなってしまっていた。

 

それでも、こんな楽しそうに走りながらもゴールへ向かう。

 Jungle 1

まだ3日目にして、かなりタフな思いを繰り返しながら、

なんとか4位でゴール。

ボクを追い上げてきていたブラジル人の選手Xは

この日も急激にペースをあげ、コース中盤でさくっと僕を抜いていた。

それでも最後は、総合2位の選手と一緒にゴールに入れたため、決して悪くはない出来だ。

 

総合順位も、まだまだ4位のブラジル人選手Xとは20分ほど差があるも、

彼の追い上げっぷりがあまりに凄まじい。

 

「こりゃ、明日には総合順位でもXに抜かれるのは仕方がない。

でも、まぁいいんだ。

いつもどおり、自分のベストを尽くした走りを続けよう。」

 

この日は、他の選手たちもみな、フラフラになりながら帰ってくる。

最後の方の選手は、既に真っ暗闇の中にゴールに帰ってきた。

ピューマがたくさん生息するジャングルの奥地だけに、夜は危険だ。

スタッフもレンジャー部隊と共にコースを逆走して、最後の選手を迎えに行ったほどだ。

 

この日も、スコールはやってきた。

昨日までより遅い時間のゴール(とはいえ午後1-2時)で

陽が当たりにくい密林のキャンプ地だけあって、

いくら干そうにもウェアは夜までズブ濡れのまま。

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少しでもウェアを乾かしたいボクは、夜に焚き火の近くで

トップ選手のBernardとウェアやシューズを乾かしながら、談笑していた。

その時。。。

 

なんだか、右脚がモゾモゾ気持ち悪い。

 

気になって、ライトを右脚に当ててみると。。。

 

 

 

「た、タランチュラさんじゃないですか(´;ω;`)」

 

 

5cmほどと小さめではあるが、事前の説明会で見た写真そのまんまの

毛だらけのクモが、右足首の上に登ってきている。
とても、手は出せない。

とっさに、思いっきり脚を蹴りだし、振り落とそうとする。

 

 

落ちない( ;∀;)
再び、脚を引き上げ、思いっきり蹴りだし、何とか振り落とす。

 

 

お、おっかなかったアルヨ(TдT)

 

 

その様子を見ていたトップ選手のBernardは、

コース上で10cm以上のタランチュラを見かけたそうで

「タランチュラの毒は、そんなに(死ぬほどは)強くない」と笑っていたのだが、

 

ボク、ぶっちゃけビビリなんです(TдT)。

 

 

もう、その後は焚き火の周りにいても、常にライトで地上を照らさねば

とても怖くていられない。
ジャングルの奥地だけあって、いつも以上に虫に溢れている。

ゴハンを食べようとリュックを開けようと見てみたら、

デカいアリが大量にリュックにたかっていた時の恐怖たるや。

 

モウヤメテー( ;∀;)

 

ここは、ジャングルなのだ(´;ω;`)ウッ…。

 

その夜は、痛みが増す足首のダメージなどすっかり忘れるほどに

怯えきって眠りについたのだった。

 

つづく

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