ジャングルマラソン「未」完走記8:ステージ2「小さな、事件」


 

ステージ1をゴールしたら、最初の仕事はハンモック張りだ。

たくさんの木が茂るジャングルでも、ハンモック張りにいい場所を確保は意外に難しい。

木が太すぎると、ヒモをかけにくい。

細すぎると、木がしなってしまう。

木と木の間が近すぎても、背中がしなった状態で寝なくてはならず

睡眠もとりにくい。

早めにいい場所を確保することが、疲れをしっかり取ることにつながる。

 

ハンモック張りの次は、ウェアの乾燥だ。

砂漠とちが、湿度が100%近いジャングルでは、

レース中の汗やら泥やら川の水が、乾かずそのまましっかりじっとりウェアに残っている。

 

これを少しでも搾り、密林で影が多い中少しでも陽に当たる場所を見つけて乾かす。

ステージ1は短い距離だったので、乾かす時間もある程度とれるが、

長い距離になってからは、恐らくウェアが乾かないまま夜を迎え、

翌朝もズブ濡れでニオイも残るウェアを着てスタートすることになるのだ。

(砂漠では、乾燥が激しいため、7日間の汗が染み込んだウェアでも、ニオイはあまり気にならない)

やはり、コースはもちろん、コース上にいない時でも

砂漠とは全く違うレースになりそうだ。

 

そんなジャングルでの一番のココロの休息は、

現地に届く応援メッセージ。

インターネット環境は無いのだが、

オフィシャルのウェブサイトに投稿された応援メッセージが

スタッフによりプリントアウトされて、ゴール後の各選手に渡されるのだ。

ボクにとっては応援メッセージこそが、なによりのパワーとなる。 DSC00736

 

1通もメッセージが届いていない選手も多いなか、

有難いことに、ボクの元には初日から大量のメッセージが届いている。

スタッフも「オマエ、いったい何人カノジョいるんだ(´・д・`)?」とからかうほど。

 

タイミングよく、ジャングルに旅立つ日にNHKに大きく紹介頂いたり、

直前に著書「マラソン中毒者」の出版 があったりしたお陰とはいえ、ありがたいm(_ _)m。

束となったメッセージの紙を片手に、意気揚々とハンモックに戻るも、(;・∀・)ハッとする。

 

「これ、日々増えていったら、

紙とはいえそこそこの重量になっちゃうんじゃないの?(; ・`ω・´)」

 

しかし、読んだからといって、もちろん捨てるわけにはいかない。

こういったメッセージこそが、ボクのエネルギーなのだ。

今後のレース中、キツくなった時に、救ってくれるハズだ。

でも、少しでも重量を軽くするため、

1枚1枚メッセージの余白をハサミで切り取り、軽量化だ(`・ω・´)。

 

そして、もうお馴染みとなった

「真夜中のゴゲゴッコー」 

な夜も越え、ステージ2の朝がやってくる。

 

ステージ2も24kmと短く、

コース中の3つのチェックポイントで、やはり15分間の休憩を強いられるようだ。

しかも、スタートしょっぱなから、100mほどの川越えだ。

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正直、泳ぎはニガテなんですが(´;ω;`)ウッ…

 

伝説のピコハンが流されぬよう、ウェアの中にしまい込み、スタートと同時に川へと突入。

1374307_535749916500429_545291478_n(↑右端がボク)

その後は、ステージ1同様、何度か激しくコースロストしたり

あやうく一回転するほどの大コケを2〜3度したりしながらも、

ペースは抑えつつも順調に密林を駆け抜けていく。

 

事前に説明を受けていたとおり、密林内では、

ウェアにひっかかる葉や枝がコース上にせり出して来ていたり

それらのトゲで擦り傷が出来たり血が流れたりは日常茶飯事なのだが、

この日、小さな事件が。

 

順調に密林を走っていると、

突如、右脚に何かが引っ掛かったようで、前に進めなくなる。

 

大きなトゲのある枝に、右脚が取られたか??

 

徐々に痛みも感じ、右脚を見てみると。。。

 

なんと、密林内に、

ナゾの有刺鉄線

が張ってあるではないか。

しかも、いかにもコースが続きそうな場所に、わずか2mほどだけなのだ。

 

僕は、走っていてそこに思いっきり突っ込んだのだった。

 

「何でこんな密林のど真ん中に(´・д・`)??」
自然のトラップで何度もコケていたボクだが、

まさかニンゲンのトラップ?でケガをするとは。

 

ズボンが裂け

DSC00814
その下に履いていたロングタイツも穴が開いてしまった

DSC00740
幸い大した血は出なかったのだが、この後、腫れてしまった。

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ケガ自体は大したコトが無いのだが、

それよりも「何であんなトコに有刺鉄線が??」というショックが先行する。

が、ただでさえ暑くて息苦しく、油断すると朦朧としてしまう環境だ。

すぐに、そのままゴールへと向かい続ける。

 

結局その日は、ゴールの手前で、突如風のように後ろからボクを追い抜いていった

ブラジルの選手Xが3位に入り、ステージ2単独では4位となった。

 

そのブラジル人選手Xも、オリンピックのマラソン選手のようなアスリート体型で

いかにも速く走れそうだ。

幸い、彼はステージ1でボクの40分以上も後にゴールしていたようで、

総合順位では、まだボクは3位。

しかも、4位以下に30分ほども差が開いている。

ステージ2の時点で30分の差はかなりデカい。

強豪選手が多そうに見えるが、そこそこ闘えるかもしれない。

 

この日は、ゴール後も闘いが続いた。

ゴール後、いい場所を確保できたハンモックで休憩していたら、

 

「パラパラパラ」

 

と雨がハンモックの雨よけに当たる音が。

それが次第に

 

「ザーーーーッ!!」

 

どデカいスコールがやってきたのだ。

 

ハンモックの雨よけがあっても、風でなびかされ、

時にじゃんじゃん雨水がハンモックに入ってくる。

 

背中の部分が水たまりになり、休憩どころではなくなっていく。

 

(まぁ、ガマン。スコールなんだから、そのうち止むはずだ)

 

しばらく後、ようやく雨足が弱まったスキに、みんな

ハンモックの雨よけの補強をする。

 

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ちゃんとした雨よけがついてないハンモックの選手にいたっては、

もはや寝床がズブ濡れだ。

 
そうして、みんなでハンモックを張り直している時に。。。

再び

 

「ドザーーーーーーっ!!」

 

今度は遠くで雷の音も聞こえる、さらにどデカいスコールが。

またもや、ズブ濡れ。

 

結局、この日は3回、どデカいスコールに見舞われる。

DSC00750

 

しっかりと雨よけを張れた選手のハンモックには、大勢の選手達があつまるw。

 

「コレが、寝ている夜中に起きたら、かなりタイヘンな事になるだろうな…」

とはいえ、自然が相手なのだ。起きる前提で前処しておかねば。

これまでの砂漠レースでの、

風雨の心配がほぼ無く眠れる環境が、いかに有難かったことか。

まだまだ、ジャングルでは何が起こるかワカラナイ。

つづく

 

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