ジャングルマラソン「未」完走記7:レース、スタート


 

ジャングル初夜。

ジャングル内でハンモックで過ごす、初めての夜が、始まる。

もちろん電灯など無いし、

密林の中なので、あたりは太陽が沈むよりも前から、すっかり暗くなる。

そして、暗くなるにつれ、徐々に生き物達の動きも活発になる。

 

昼間は見かけなかったような、

親指の爪ほどのデカさのアリが大群で地上や木を行進しはじめる。

それを見て、選手たちも、

慌ててハンモックを吊るすロープにも虫よけをたっぷりかけ始める。

 

蚊帳付きのハンモックでも、アリの大群に上がられる事を想像すると恐怖だ。

 

ハンモックから降りる際も、地上や、シューズの中に虫が居ないかチェックするのは重要だ。

そんな恐ろしい地上の、わずか数十センチ上の空中を背にして眠るのは、

なんとも心もとないものだ。

 

ただでさえレース中は緊張感からか眠りにつけないクセがある僕は

今回も睡眠導入剤を持って臨んでいた。

 

夜8時頃にはハンモックにもぐりこみ、就寝。

そしてようやく深い眠りに落ちた、深夜2時に、それは起きた。

 

 

「コケコッコー」

 

どこかで、一匹のニワトリが、小さく鳴き声を上げた。

 

 

そしたらどうだ。

 

「ンゴ、ゴケコッコー!」

 

「ゴゴ、ゴケコッコー!」

 

「ンオゲゴッゴー!!!」

 

そこいらじゅうのニワトリらが、

負けじと大合唱を始めだすではないか。

 

「ニワトリって、朝鳴くもんじゃないの(´・д・`)??」

 

周囲の選手たちもたまらず起こされたようで、

暗闇から様々な表現での

「fu◯k!」だとか「sh◯t!」だとか

 

「っざっけんじゃねーよ(゚Д゚)」

 

と嘆き声が聞こえ、やがて失笑に変わっていく。

 

よもや、ニワトリが脅威になるなんてw。

 

しかたがないのだ。

ここは、ジャングルなのだ。

 

 

さらに、朝3時頃、再び、はっと目がさめる。

 

「えっ”?? 火事かっ!!??」

 

大量の消防車のサイレン音が響き渡っているかとおもいきや、

どうやら、大量のサル達が叫び声をあげているらしい。

都会でも聞けないような騒音レベルで。

 

ここは、ジャングルなのだ。

僕らニンゲンこそが、異邦者なのだ。

 

すでにジャングルは何度も来ているはずの主催者のShirleyですら

大きなアリに噛まれたようで、

スタッフに抱えられながらフラフラと歩くようなトラブルも起きた。

改めて自然の怖さを思い知らされる。

 

そんなキャンプ地での2日間で

コース説明、メディカルチェック、装備チェック等を経て

ジャングル3日目の朝、いよいよ、レース、スタートだ。

DSC00727

伝説のピコハンさえあれば、なんとかなるはずだ(`・ω・´)ゞ。たぶん!
緊張の中、スタート地点に立つ。

DSC00732

そこに、タイムキーパー役として参加していたDavidが嬉しそうにやってくる。

「ヒロ、君には特別に、ぜひこのGPSを付けて走ってみて欲しいんだ。

記録を取ってみたいんだ!」

 

そうして渡されたのがコレ。
DSC00730

えーと、持ったらゆうに300gはありそうなんですが( ;∀;)。

 

実はDavidとは北極、南極でもタイムキーパーをしてもらった友人だ。

DSC00817

(左がDavid。僕の手に持っているのが、タイムを測るタイミングチップ)

 

1g単位で荷物の重量を意識していたことを告げ、

別の選手に持ってもらうよう頼もうかとも迷ったのだが、

他でもないDavidの頼みなのだ。

断るのはオトコじゃない( ;∀;)。

 

「ぅ、うん。いいぜっ!(`;ω;´)ゞ!」

 

 

いよいよ、レースへ。

選手、スタッフたちとカウントダウン。

スペイン語でカウントダウンなので、

いったいいま何秒前なのかがサッパリわからないw。

 

初日のステージ1は、約23kmと短いコース。

しかも、コース上に4つもチェックポイントが設けられ、

そのチェックポイントで「全選手、必ず15分休まなくてはならない」ルールだ。

これは、いままでのレースでは経験が無いし、なんだか随分ラクそうに感じる。

 

しかし、事前の説明会でも何度も

「いままで砂漠レースなど走ったことある選手も

『ジャングルは砂漠とは全く違う』

と肝に銘じてほしい」

そう繰り返し強調されてきた。

初日の距離が短いのも、「チェックポイントで15分休む」ルールも全て

「ジャングルはどんなトコロかを知って慣れるため」だそうだ。

 

その、ジャングル1日目の動画がコチラ。

( 35秒目あたりで、ピコハンを持ちジャングルを駆け抜ける小野の勇姿がご覧頂けますw)

走るどころか、まっすぐ進むのも大変な密林はあたりまえで、

山もあれば、川もあれば、泥沼もあれば…

約3〜6kmおきにチェックポイントで15分休めるとはいえ、

初日から、存分にタフなのだ。

なにより、とにかく、コースに迷う。

コースを示すのは、赤、黄、青の小さなビニールテープなのだ。

DSC00803

テープの色に特に意味は無く、ランダム。

特に黄色のテープは、密林中で極めて見つけにくいのだw

1072208_567264570005623_2014753494_o

 

↑こんな中に小さく黄色いテープがあったりする。

 

「密林の中は、赤色テープ使えばいいじゃん(´・д・`)

とも思ったが、甘くはない。

 

「赤いテープハッケン( ・∀・)!」と思って進んでみたら

密林ではめったに見ない赤い花

だったりするのであるww。

 
障害はコースロストだけではない。

密林内を走っていると、先が見えないコース上で、

急に左右に鋭角で折れ曲がったりの連続で、

通常のトレイルとは比較にならないレベルで足首に負担がかかる。
(しかも、重い荷物を持った状態で急に方向転換をするとなおさら)

さらには、日中でも密林内では足元が暗く、葉っぱや枝やら茂みやらに埋もれており、

足をひねること、枝に足を引っ掛けてコケそうになること、多々。

しかも、コース上に木が倒れているのは日常なので、

時にくぐり、時にジャンプし、時によじ登ったり。

とにかく、まともに走るだけでも大変なのだ。

それでも、川渡りなど、普段のレースじゃまずないコースの連続は、とても楽しい。

 

 

 

Jungle 2
初日は、抑えて抑えてとおもったものの、結果はなんと3位でゴール。

ジャングルマラソンは、距離により3つの部がある。

42km(ステージ4のみ)

126km(ステージ1〜4)

260km(ステージ1〜7) ← 僕も出ている部。最初は254kmと聞いてたのだがw

 

260kmの部の参加者は4-50名ほどと

参加人数が少ないとはいえ、見渡すばかり腹筋6つ割れの

いかにも強そうなランナー体型、アスリート体型の選手ばかりだったので、

初日3位の結果には正直驚き。

 

とはいえ、まだ初日。

しかも、レース中は気が付かなかっただが、

ステージ1ゴール後に右足に鈍痛があるのに気がつく。

 

レース中、あまりに何度も足をひねったり、

急な方向転換を繰り返したせいか、

アタカマ砂漠前にもケガをした右足の古傷に痛みが再発したようだ。

 

「これは、まだまだ波乱の連続のレースになりそうだ」

 

つづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です