UTMB完走記 11:ウルトラマラソンの七不思議


 

「長距離レースは胃腸の闘いでもある」

「食べられる時に、食べるべし」

そう語った。

小生は、確かに、語った。

 

賢い読者の皆さまのことだ。

皆まで言わずとも理解して頂けるに違いない。

 

「上から入ったものは、下から出てくるものである」

「万物は、引力を有す」

そう語った。

ニュートンは、確かに、語った。

 

長距離レースで、自分の状態を冷静に判断する

大事なバロメータは、

「屁」

である。

 

フランス語と違って、読み方は間違ってない。

「へ」

である。

 

そろそろワタクシに殺意を感じる読者もいらっしゃるかもしれないが

至って、真剣なのだ(`・ω・´)。

 

ヘタな時は、いや、快調ぶっこきな時は

100kmマラソン中に、

30-40回も「屁」が出ることすらあるのだ。

 

そんな時は、

「今日も胃腸がゲンキだぞー」と

思わず(・∀・)ニヤニヤしてしまうものである。

 

もちろん、その直前に後方にランナーが居ないか確認するのは言うまでも無い。

やむを得ない時だけは、斜め45度にカラダを傾け、

誰も居ない沿道に向かって噴射するのがオトナのマナーというものだ。

 

 

……さて、

UTMBで快調に坂道を下りながら、

「ジェットストリームだぜ(`・ω・´)」と加速させながら

噴射を繰り返していた時だった。

 

「これ以上の噴射は、危ない」

 

これまでの4年のラン人生で30回ほどのウルトラマラソンを走る小生が、

かねてより

「ウルトラマラソンの七不思議」

と呼んで憚らない現象の一つが、

「気体から個体への変化は、突然に、しかも大群にてやってくる」

ことだ。

 

他の「6つの不思議」については、長くなるのでこの辺で…。

 

坂道を下りながら、ニュートン万有引力の法則が

文字通り「重み」を増しながら強まっていくのを感じる。

前半のヤマ場の後に、こんなヤマ場が待ち構えているとは。

さすがは世界の舞台である。

64kmのエイドステーションLac Combalに辿り着くも、

そのままエイドの出口へ直行し、1m四方の秘密の小部屋へと駆け込む。

絶賛ウ◯コ中のトイレより。大丈夫です。映像は乱れておりません(`・ω・´)。

 

小部屋から出てきた時の

ココロもカラダも、なんと軽やかなことか。
そうして、いよいよ空も美しい朝焼けですっかり明るくなった時

石畳の路を、石造りの家々に囲まれた素晴らしい街並みを抜けて、

朝7時台というのに沢山の歓声で賑わう

77km地点のクールマイヨールのエイドへ辿り着いた。


クールマイヨール街並みをエイドに向かう様子

眠気もほぼゼロで、カラダもゲンキで、

快調に走れている。

なにより、楽しさ一杯だ。

エイドでは、中尾さん、小柴さん、

そして小柴さんのお母様や息子のたくとクンまで待ち構えてくれている。

スタート地点のシャモニーからモンブランを越えて反対側のクールマイヨールまで、

何時にたどり着くか時間を読みにくい中、早朝に待ってくれているのだ。

なんて、有り難い。

 

事前に預けておいたドロップバックを開き

後半用のカフェイン入りエナジージェルを仕込み

2晩目に向けて、ライトの電池を交換する。

 

クールマイヨールを超えると、

すぐに距離22km、標高差1,300m以上の

「後半のヤマ場」グラン・コルフェへ向かっていくのだ。

スタートから、ここ中間地点のクールマイヨールまで

約15時間ほど。

ちなみに昨年のUTMFでは、34時間弱で完走することができた。

その経験から、

「UTMBは、10km距離も長いし累積標高差も1,000m以上高いから、

UTMFより最低でも3-4時間はかかるハズ。

38時間以内で完走できれば、悪くない。」

そう目標を定めていた。

 

クールマイヨールは、77kmと、厳密には中間地点より7kmほど手前ながら、

15時間で辿り着けているのは、悪くないハズ。

順位も、そこそこ上げてきたんじゃないか?

しっかり食事も摂る姿をカメラで撮影してくれながら小柴さんに、ふと聞いてみる。

 

「今って、ボクの順位どのくらいですか?」

 

少なからず、ショックを受けた。

 

「さっきまで千数百位で中盤あたりだったけど、900番台まで上がってきてる」

 

「え!? そんなに(後ろの順位)?? 全部で、何人走ってるんでしたっけ?」

 

選手は、全部で2千数百人ほどとのこと。

昨年のUTMFでは、約800名ほどの中、100位ちょっとで完走できた。

参加人数が3倍のUTMBでは、300位位に入れたら万々歳。

ところが、なんと、中盤より少し良い程度の順位じゃないか。

改めて、世界の舞台を実感する。

「ここまでも、特に下りはゴボウ抜きの連続なのに、なんて層が厚いんだ。」

一喜一憂していても仕方がない。

まだまだ、先は長いのだ。

後半のヤマ場へゲンキ一を取り戻すべく、

いよいよ、ドロップバックよりウサちゃん帽子を取り出す。

「これから、日中に差し掛かって暑そうだから、ウサちゃん帽子はゴールまで取っておこうかな」

というボクに

「こっから、かぶって行った方がいいわよ!」という小柴さんの声に後押しされ

グッとウサちゃんをアタマにセットし、エイドを出発する。

ウサちゃん姿のボクに、これまで以上に多くの声援を浴びて

俄然やる気もアップでダッシュで飛び出していく。20130831_080022-001
クールマイヨールにて、ウェア新調の図

この先、後半のヤマ場、グラン・コルフェを越えさえすれば、

あとは流れにのってイケるハズだ!

順位は、予想を遥かに超える低さだけれど、

これから後半で上げられるとこまで上げてやる。

 

つづく

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