UTMB完走記 8:いよいよ、スタート地点へ


 

「山の天気は、変わりやすい」

どこかで耳にした事があるセリフ。

 

でも、まさにそれを実感するのがUTMBの歴史である。

この3年間、まさに「変わりやすい、山の天気」に泣かされて、

通常のルートを最後まで無事にレースを終えることができなかったという。

 

2012年は、悪天候のため、100kmへと短縮。

2011年は、同じく急遽ルート変更。

2010年は、途中で、大会が中止になってしまう。
スタートに立つことも大変ながら、

山の女神が微笑んでくれなければ、

いくら実力があってもコースを走りぬくことが許されない。

 

ところが、どうだ。

翌朝シャモニーのホテルから眺めたモンブランは

素晴らしい天気に神々しく構えているではないか。
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予報でも、どうやら天気はよさそう。

 

レースエントリー時に登録した携帯電話に、

大会から届いたSMSでも

「大会は予定通りのコースで、16時半スタート」

と案内されている。

 

さっそく、ゼッケンを受け取りに大会会場へ。

海外の選手たちは皆ガタイも良く、

みんなプロのアスリートに見えてくる。

身分証明書のパスポートを提示し受付を済ますと

必須装備の持ち物チェックがランダムに行われるらしい。
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念の為、レース用のリュックは持ってきていたが、

僕がチェックされた「ライト用の予備の電池」や「暖かい帽子」は、

中継地点用の袋に入れてホテルに置いたまま。

「ちゃんと、ホテルに装備があります

(何なら、暖かい帽子なんて、ウサちゃん帽子まで有る位(`・ω・´))」

 

と説明して、無事ゼッケンもゲット。

正直、どれがモンブランだかよくワカラナイのだが、

モンブランをバックにパチリ。
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77km地点の中間地点、クールマイヨールに唯一預けられる

ドロップバックに予備の防寒着やらエナジージェルやら

大事なウサちゃん帽子などをしまい込み、スタッフに委託する。
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これを受け取る時に、どんな状態になっているのだろう。

ホテルは交渉して11時までいれる事になったのだが、

ウェアも着込んで、全ての準備を終わらせて

16時半のスタートまで外で日向ぼっこしながら待つことに。

会場にて、他の日本人選手から

「ひょっとして、南極の小野さんですか?」と声をかけられたり

アタカマ砂漠を走った時と同じウェアを着ていた事もあり

タイの選手から「アタカマ砂漠で、チーム絆だったよね?」と話しかけられたり

草むらで寝転がってる所をコロラドのLeadVilleで一緒だった

マコトさんに「小野さん!」と見つけてもらったり

なんと世界は狭いことか。

晴天の中すばらしい姿を見せる山の景色も相まって

徐々にパワーが増してくる。

咳や不安は消えない。

また凍えて動けなくなりうずくまったり

何度もココロが折れながらも「でも、復活できるハズじゃないか」

と自分に言い聞かせながらも、それでも裏切られ、打ちのめされたり

かつて無いほど追い込まれるのだろうか。

 

どんな旅になるのだろう。

どんな自分に出会うのだろう。

けれど、とにかく、その時はやってきだのだ。

世界中から集まった選手たちや、その家族や友人、

大勢のボランティアやスタッフ

音楽と歓声と、サイコーの天気と景色に囲まれて

この舞台に立てることが、どれだけ有り難いのだろう。

3年の時を重ねて辿り着いた

夢の舞台、UTMBのスタートに足を運ぶ。

さぁ、行ってきます!
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つづく

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