UTMB完走記 4:激しく、ボタンを掛け違えたゾ?


 

「人生のボタンを掛け違える瞬間」

という体験をお持ちだろうか?

 

それが何度か続くと、

トンデモない明々後日の方角へと脱線してしまっている事がある。

 

 

「小野クン、UTMBさ、ビデオカメラ持ちながら、自分撮りながら走ってみない?」

 

ナ, ナンダッテー(;・∀・)!??

 

なぜだか、UTMFを主催する「富士トレイルランナーズ倶楽部」の中尾さんから、

ある日、そんな意味不明なメッセージが届いたのだった。

 

 

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元はといえば、ランの楽しさや感動をいろんな人に共有してもらいたい想いで

(あと、少しでもキャアキャア言われたい一心で)

「フルマラソンをコスプレして走りながら、

その様子を自分で撮影しレポートもしながら、ネット中継」

をしていた事がキッカケだ。

 

そんな事を何度かしていたら

2013年、2度目となるUTMFでは

選手ではなく、

「ビデオカメラを持って、10kgある発信機を背負いながら

トップ選手たちを走ってライブ中継しながら追いかける」

オフィシャル「ライブカメラマン」をやる事が決まっていたのだ。

 

2013年のUTMFは、抽選に落っこちてしまったため

悔しさのあまり

「東京から新潟までの520kmを6日間で走る」

という「川の道フットレース」という大会に間違ってエントリーしてしまっていた。

 

その「川の道」の、たった3日前がUTMFだというのに

「今年のUTMFでは、オフィシャルのライブカメラマンを募集」という話を聞きつけ

興味本位で富士トレイルランナーズ倶楽部の中尾さんが主催する会に遊びに行ってみたのだ。

 

プロも含め、たくさんの屈強なランナーが集まる大きな会場で、

あのタフなUTMFを寝ずに走って撮影するという恐ろしい説明を聞きながら

ひとり、また1人と肩を落としながらうつむいて説明会場を後にしていく。

 

そんな風景を後ろから「怖いもの見たさ」で覗きに行ったハズだった……

 

 

ビックリするほどこじんまりした

喫茶室ルノアールの貸し会議室を覗いてみると、中尾さんが

「あー、小野くんお久しぶり。そこにある紙、順番に取ってってねー」

とにこやかに声をかけてくる。

 

ん? 何だ?このタイムテーブルは。

 

よく見ると、「Live1」という欄に

「小野」という名前が並んでる。

 

「えーーっと、中尾さん。これって、まさかと思うんですが、ボクの事でしょうか…(´・ω・`)?」

「そうだよー。今年初めてのライブカメラマン。2人しかいない1人だから、頑張ってね~」

 

ちょっと覗きに来ただけで、まだやるとも何とも言ってないのだが、

すでにタイムテーブルに自分の名前が加わってしまっているではないか(´;ω;`)ウッ…

 

聞けば

「ライブカメラマンは、録画と違って、常に流し続ける必要がある。

トップ選手たちが来るまで待つ間、ひたすら周囲をレポートし続けしゃべり続けなければならない。」

フルマラソンをしながら、自分で勝手にしゃべり続けながらネット中継をする僕の話を聞きつけ

「ちょうどイイ」と思われたらしい。

 

しかも、ライブカメラマンは

5回線分のデータ通信を使って、

リアルタイムに動画を流せる機器を常に背負いながら走る必要がある。
(通常のランニングカメラマンは、録画専用なので、カメラだけを持て走れば良い)

その発信機器は、バッテリーも含めて10kgはくだらない重さになる。

 

「砂漠250km、1週間分の荷物10kgとか背負って走ったんでしょ。ちょうどイイじゃない」

 

そんな訳で、川の道520kmわずか3日前は、

世界中のトップ選手を、10kgの荷物を背負いながら山道を走りながら、

ひたすら夜中じゅうもしゃべり続けながら、UTMF初のライブ中継をし続けたのだった。

(その様子は、UTMF2013の公式DVDにも収録されています。

アタマに富士山のぬいぐるみを括りつけ、喋りながらカメラを持って走っているのがボクです)

 

トップの選手を撮すために、車で先回りしてポイントを待ち構えるのだが

あまりに待ち時間が長い時でも、

いつくるか分からない選手を待ちつつカメラを回し続ける必要がある。

 

常にネットで映像が流れてしまう以上、間を埋めるためにも、

エイドのスタッフや応援に来た人にインタビューしつくし

遂にはカメラマン本人である自分自身を映しながら

ひたすらカメラに向かって喋べって映像を流し続けた。

 

中尾さん曰く、その様子が「なかなか好評で面白かったよ」。

 

「だから、今度はモンブランでもやってみない?

UTMB走りながら、レポートしながら自分撮り。」

 

 

えーっと、さすがにUTMBはこれまでにないタフさだろうからナー…

記録も狙いたいから、ビデオ担いで走ると、突っ込んで走れなくなっちゃうしナー(´・ω・`)…

 

よし、決まった。

 

 

「や、やりましょう( ;∀;)!」

つづく

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